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Daily Archives: 05/20/2017

5月13日(土)福岡百道浜講演「アメリカの平等」LGBT、性差別の実際

福岡在住の友人から、「今度、日本に来る時、こんな感じの講演ってできないかしら…」と相談を受けたのが、3月末のこと。

実はちょうどその数分前に、別な方から、「福岡でランチ会みたいなミニセミナーっていかがですか?」とお誘いを受けたばかり。

後者の方は、私の日本行きのことなどまったく知らずに、唐突のお話だったようなのですが、偶然にも、ランチ会が12日(金)、そして講演が13日(土)のことで、誘われたこちらの方が、鳥肌ゾゾっとするほど、驚いたのです。

 

こういう偶然には、乗らなきゃソン、ですよね(笑)。

ちょうど日本出張の真ん中辺り。予定はすべてこれから立てるところだったので、何の問題もなく、決まりです。

 

13日の講演の場所は、百道浜(ももちはま)という博多から地下鉄で15分くらいの場所。

「百道浜男女共同参画推進協議会」(漢字が多い…笑)の会長を務める友人の企画で、私が生で体験したライフストーリーに加え、アメリカで体験した平等、差別、それについての対策、問題、課題などを、リアルな体験談とともに話してほしい、とのご依頼でした。

 

百道浜は埋立地のリゾートっぽい感じのところで、幕張メッセ付近の私の実家とまったく同じ空気感が漂います(笑)。

なんだか懐かしい~って感じ。

当日は、こーんな超快晴。緑まぶしい素晴らしい天候でした。

お知らせの案内は、このようなポスターが配布されていました。

あ、こんな風に貼ってあるのね…(汗)。

 

行ったら、いきなりアロハシャツとレイを渡されて、着替えることになりました。

まさか衣装を渡されるとは予想もせず(笑)。

それよりも、借り物なのに、やたらと似合ってる自分にもビックリ(爆)。

数年ぶりで着たわけですが、やっぱりハワイ生活、長かったのね~って感じです。

紹介してくれているのは、百道浜男女共同参画の会長、田中洋子さん。

フラの踊り手でもありまして、それゆえのハワイテーマ。

彼女の中で、快晴の百道浜と海の匂いとリゾート感と、「私」とがリンクしたようですね。

難しい(そうな)テーマを、少しでも皆にリラックスして聞いてもらえたらなあ、という会長なりの計らいなのでした。

 

スライドの出だし。レインボーフラッグたなびく私のホームタウン、ウエストハリウッド。

 

少人数かも、と言われていたのに、次から次へと人が集まって、40名くらいになっているではありませんか!

お役所、団体関係の方々もいらして、皆さん、本当に真剣に聞いてくださっています。

 

きれいな公民館。

コミュニティの集いの場として、あらゆる場面で大活躍しているようですね。

それゆえ、参加者さん全員がスリッパ着用。もちろん私もスリッパで講演です(笑)。

 

団体のトップの方々も、レイを渡され、にわかハワイアンな装いに。

前半は私のハワイ&ロサンゼルス移住を中心としたライフストーリーをメインにしながら、「常識の枠」をはずしていただくための準備体操。

そして後半は、ハワイ&ロサンゼルスの23年の暮らしで体感してきた、差別と平等の実際について、歴史も軽く触れつつ、詳しくまとめてお話しました。

 

移民、という立場、そしてLGBTのひとりとして、差別や平等は、身近な問題です。

私はそもそも社会学を専攻したりしてきましたし、この分野は、自らもとても関心が高く、いろいろと追いかけてきた背景があります。

経営の現場では、法的なことをきっちり押さえておかないと、訴訟問題になりえますので、そこも講習やらコンサルテーションやらを徹底的に受けて、学び、実践してきました。

その辺は、MBAのプログラムでもしっかりと叩き込まれましたしね。

Equal Employment Opportunity (雇用機会均等法)について語らせたら、なかなかうるさいです(笑)。

 

そんなリアルな話しは、皆さんにも新鮮だったようで、終わってからも、嬉しい言葉をたくさんいただきました。

そうか、こういう話は、ほとんどまだ日本では体系立てて聞くことがないんだな、というのもよくわかりました。

 

で、最後に、お礼ということで、フラの披露がありました(笑)。

この会場に、この街の空気に、ぴったりフィット。

皆さん、優雅で美しかったです。

 

洋子さん、関係各位の皆様、このような興味深い機会をくださって、本当にありがとうございます!

 

今回の講演(セミナー?)でお話したのは、アメリカは常に平等や公平を求めて闘いを続け、変革し続けてきた社会である、ということです。

今後もそれは変わらないでしょうし、時には、揺り返しもあります。

それが自然なことであり、有機的で、フレキシブルな変革なのだろうと思います。

 

「もっと大きな団体でも、きっとお話をうかがいたいと思いますので、またご連絡させていただきますね」と、関係各位からお話いただきました。

奴隷制度やら移民の受け入れ制度、宗教問題などを通じて、差別や平等と向き合ってきたアメリカ社会の事例は、これからますます開かれて本物のグローバル化を迫られる日本にとって参考になることばかりでしょう。

もしお役に立てそうな機会がありましたら、ぜひお声がけください。

 

その後、打ち上げがてら訪れた、シーサイドももち海浜公園マリゾンで、洋子さん+お仲間さんとのグループコーチングセッション。

とにかく気持ちのよい一日でした。

百道浜の皆さん、ありがとうございました~!

 

 

「経営者を育てるハワイの親、労働者を育てる日本の親」なにはなくても自己肯定感

30半ばでアメリカの高等教育を受けて

30代半ばにしてハワイの私立大学でMBAを取得したのですが、本格的にアメリカの教育を受けて驚いたのは、自主性、積極性がないと、点数も取れないし、仕組みすらわからないし、結局、卒業が難しいということでした。

そのかわり、求める人間には、とことん尽してくれるし、ちょっとできると、すぐに認めてほめてくれるし、優遇してくれるし、その後も目をかけてくれる。

だから、もっとがんばりたくなる。それが普通に楽しいことになる。だから、頑張れる。

そういう素晴らしい好循環ができているのです。

 

大人で、後もない状態での結果的留学、みたいな形だったので、万が一、日本に帰ることになっても手に職つけておかないと、食いっぱぐれるぞ、と危機感満載の学生生活。

働きながらで、時間管理もたいへんで、でも、だからこそ、必死で良い成績を残しました。

成績とは、自らの意志で「残す」ものであって、「もらう」ものじゃない、ということも、教わりましたね。

 

良い成績を残せたので、卒業式では、他と違う「印」となる目立つ紐をかけてくれるし、名前の後に、「With Distinction(優秀な成績で)」とひとこと添えてくれるので、皆にもわかるのです。

成績優秀者しか入れない組織「Delta Mu Delta」からも招待が来て、特別な賞状ももらえたし、このことは当たり前に履歴書に書ける特別なことでもあります。

がんばったことのご褒美が、幾重にも用意されていて、その後の人生でも、もっともっと楽しみながら頑張っちゃおう~という気にさせてくれるんですよね。

うまいな~と思いました。

経営者となる資質を育てるアメリカ教育

ハワイの友人であり、成功した経営者でもあるイゲット千恵子さんが、このたび「経営者を育てるハワイの親、労働者を育てる日本の親」という初めての著書を出版されました。

ようやくキンドル版も追っかけ発売になっています。

 

サイン本を献本いただいて、早速拝読し、内容の濃さに感嘆。

昨年6月に、六本木ヒルズで行った同テーマのセミナーがありましたが、そこでの内容を下敷きに、もっと具体例も織り交ぜて、日本の皆さんにぜひ読んでいただきたい素晴らしい書籍になっていました。

 

いつも意識改革をうながしているクライアントさんやら、交流会の仲間にも伝えたくて、先日の交流会では、ミニミニセミナーで本の内容を紹介。

絶賛、おすすめしています。 ↓ ↓ ↓

自己肯定感の高い人間を育てる社会

クライアントと話していて、いつも思うのは、日本はいまだに、とっても「自己肯定感の低い」人々の集まりであるということ。

親が、学校が、社会が、そういう人を育てているんですよね。

で、皆がそのことで苦しんでいるのに、それでも子どもも同じようにしか育てられていないから、負のループがグルングルンと周り続けるばかり。

 

アメリカ生活23年になりますが、ひとりひとりの自主性、自己責任感、自己肯定感の高さは、圧倒的なものがあります。

「できないのに、できると言うな!」と怒りたくなるほど、I can do it! な態度が根っこに染みついています。

その秘密は、やはり幼い頃からの育てられ方にあるんですよね。

しつけ、学校教育、人間成長を支援するシステム、考え方、いろいろなものがリンクして、こういう結果になっているのでしょう。

 

ものごとを自分の価値観で、自分で考えて、自分で決められる力。

出した答えに自ら挑戦し、どんな結果も受け入れて、それを糧にし、自分ごととして未来に生かしていける力。

何よりも、自分にはできる、きっとできる、と信じられる根っこの自己肯定力。

 

それらが身についてさえいれば、社会がどんなに変容しようと、きっとひとりで何とか生きていける。

そんな気がするのです。

お金を言い訳にしないで自ら意識を変える

もちろん、格差はあります。

この書籍に出てくるのは、トップレベルの学校の話だし、意識も高く、経済的に余裕のある家庭の事例が多いのも確かです。

でも、お金だけが、教育の質を決めるファクターではありません。

 

ハワイ固有の事例も出てきますが、大半はアメリカ全体に渡るスタンダードについて話しています。

本土では、とくに公立学校でもすぐれたところが多くあったりしますので、有名私立校だけの話ではありません。

ハワイからカリフォルニアに家族で移住する人が多い理由は、公立学校のレベルの差にあったりするのです。

高校までが義務教育のアメリカでは、優秀とされる学区の公立に行かせれば、ほとんど経済負担がないままに優れた教育の恩恵に授かれます。

子どもじゃなく、まずは自分に読み聞かせ

この本は、子育て本の形を取りながら、実は、親に読ませ、親に意識改革を迫る本。

そういう意味で、私は全クライアントにマストで読んでほしいと思ってすすめています。

 

今からでも、遅くなどありません。

なんだ、そうだったのか!

そうか、やっぱりそうか!

 

目からウロコの発見の連続から、未来がぐんぐん拓けていくきっかけづくりをしていただけるはず。

日本では、今インバウンドがどんどん盛り上がっています。

グローバルな視点を持っているかどうかで、この動きをチャンスに変えられるかどうかも決まります。

 

ビジネスに、子育てに、教育に、自らのライフプランづくりに。

手放しでおすすめしたい一冊です。