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アメリカの多様化する「家族」のあり方。男親・女親が揃った家庭は50年で92%から67%へ激減

Modern Family

2009年からアメリカのABCテレビで放送されているコメディ「Modern Family(モダン・ファミリー)」は、数々の賞を受賞した人気作。今もシーズン6が放送中です。日本でもFOXチャンネルで放送されているようですね。

「モダン・ファミリー」というタイトルは、古くからある典型的な家族構成とは違い、現代ならではのユニークな家族構成の主人公たちが繰り広げるコメディであることからつけられたもの。

上の写真の、真ん中の5人は、従来型のファミリーなのですが、奥さんのお父さん(写真左)は、娘と同じくらい若く、子連れのコロンビア人と再婚。ゲイの弟(右から2人目)は、パートナーと共にベトナム人の養女を育てています。

始まった当初は、同性婚も合法化されていませんでしたし、ネットワーク局で、公にゲイのカップルが主人公の一部となり、ましてや養子を取って育てるなど、シリアスな番組でもなかった設定でした。

ケーブル局ではガンガンやっていることも、「大衆」が相手のネットワーク局となると、こういうところが保守的な社会です。常に宗教がからんで真っ二つに分かれていくので、人気稼業のテレビとしては英断だったようにも思います。

何はともあれ、役者さんたちの名演技もあって、とにかく最初は面白かったです。賞もいっぱい取って評価の高い番組です。(最近はもう自分は見ていないのですが。)

ところで、今日たまたま入ってきた、リタイアメントプランを預けている投資会社のニュースレターに、「家族」というテーマで面白い数字がいくつか載っていました。記事のタイトルが、「モダン・ファミリーのためのリタイアメント・プラン」と、番組を文字っていたのでつい惹かれ、読み進んでみたのです。

Modern Family

かつてのファミリードラマで見たような、お父さんがいて、お母さんがいて、子どもたちがいる、というような典型的な家族の像は、どんどん「普通」ではなくなっていると記事は伝えています。

シングルマザー、シングルファザーと子どもという家族、子連れ再婚の家族(Blended family)、未婚の男女と子供の家族、同性婚の家族、多世代家族など、多様化した家族の形があり、それぞれに違ったリタイアの形があるので、準備にもより慎重なプランが必要なのです、と。

いくつか興味深い調査データが載っていたので、ご紹介します。

  • 1960年には、結婚した男女2人の親と子どもという家族が92%を占めていたが、2011年には、その数は67%にまで減少している。
  • シングルマザーの家庭は、300%も伸びた(190万世帯から860万世帯へ)。
  • シングルファーザーの家庭は、700%も伸びた(30万世帯から260万世帯へ)。
  • 多世代が同居する世帯は、1980年の2800万世帯から2012年には5700万世帯へと伸びた。

シングルの親の家庭が激増してますね。保守的なクリスチャンの社会では、以前は離婚自体が難しかっただろうに、だんだん当たり前になってきてしまいましたからね。

多世代同居の家庭の増え方も、尋常じゃない感じです。30年で2倍です。

日本は親や子と暮らしている家庭が多いと思いますが、アメリカでは、普通は子どもは大学に入れば家を出ていきます。

この伸びは、25から34歳の層が親と同居することを選ぶようになったからだと説明しています。パラサイト傾向はアメリカでも起こっているようです。

最近、よくテレビや映画で観るのですが、アメリカの家庭って複雑だよなあ…と思うのは、上記にあった「Blended Family(ブレンディッド・ファミリー)」の存在です。

離婚をして親権をシェアした場合など、子どもは1週間おきに、お母さんのところ、お父さんのところへと行ったり来たりすることもあったりで苦労するようです。どちらかが再婚でもしようものなら、状況はさらに複雑化していきます。

子どものスポーツの試合や発表会になれば、生みの親たちは当然、観に行きます。その時、誰かと真剣におつきあいしていたり、あるいはすでに再婚していたりすると、彼らも一緒についてきます。

もし両方共、再婚していたりしたら、ひとりの子どもに「親が4人」観に来ることもありえます。親の親、つまり祖父母たちがそれぞれについてきてしまったら、もう収拾がつかないほど「家族」は増殖してしまうのです。

そんなことが実際にあちこちで普通に起こっているのが、アメリカの社会なんですね。

モダン・ファミリーのモダン、つまり現代的であるということは何かというと、結局のところ「普通」が消滅しつつあるということなのだろうなと思います。「形」があまりにも多様化し、型にはめようとすることがもう無理。何でもありってことですね(笑)。

そういう意味では、僕などは生きやすい良い社会になってきたなと思います。

日本では上映されずにDVDで発売されるらしい映画「Blended(邦題:子連れじゃダメかしら)」は、まさに、Blended Familyばかりが登場する現代アメリカのコメディ。

批評家受けする作品ではありませんが、 ほのぼのと暖かなストーリーは、観客には受けてヒットしました。いろいろな家族のあり方があっても良いではないかと受け入れる、懐の大きなアメリカ社会を明るく描いていて、家でのんびり観るには十分楽しめる映画だと思います。

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