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ちょっと残念だった2012年トニー賞の「Once」LA公演。でも歌はさすがに絶品でした!

once musical

ロサンゼルスのパンテージス・シアター、2013−14年シーズンの最後を飾るミュージカル「Once」。2012年のトニー賞で8部門を獲得した超話題の作品が、ロサンゼルスに初お目見えしました。

贅沢にも過去2年、シーズンチケットを買っていましたが、相方もハワイにいる今、次のシーズンは見送り。これが当面、最後のミュージカル鑑賞かなあ、と感傷的になりながら見に行きました。

余っているチケットを安価で買って同行してくれたのは、エンターテインメント大好きのR君(元部下)。親子と言っても全然不思議ではない年齢差なのですが、まあそこまでの違いは感じないですむ、態度のでかい、しっかりした若者です。彼とはこのシーズン、「ライオンキング」「ブック・オブ・モルモン」について3つ目のミュージカル鑑賞です。

8つものトニー賞を取ったし、メインテーマとなる曲「Falling Slowly」はグラミー賞まで獲得したほど、歌の魅力にあふれた作品のはず。ベースになったのは、2006年の同名アイルランド映画。その主題歌も、大ヒットして,映画のテーマ曲としてアカデミー賞も獲得しています。短期間で作った超低予算のアート作品で一躍スターに。まさにシンデレラ・ストーリーでしたね。

こちらが映画のシーンです。

しかしながら、今回のミュージカルへの期待が大きすぎたのか、ツアープロダクションだから質が追いつかなかったのか、あるいはLA Weeklyが批評で書いていたように、数百人レベルの小劇場で演じるべき静かなストーリーは、その何倍もの人が入る大きな劇場には向かなかったのか。

すべてYESかもしれないですね。

歌は素晴らしいんです。すべて。どの歌も魂レベルで揺さぶられる力がある。歌い手も良かった。でも、それらをつなぐドラマ部分のパフォーマンスがちょっと退屈…? 静かすぎて、おとなしすぎて、テンポが悪くて。この劇場のサイズでは声すら届かない。エモーションはさらに届かない。主人公たちの苦悩も歓びも、残念ながら伝わりにくいものがありました。 

会場のほとんどが、不完全燃焼で劇場を後にした印象です。

ついつい家に帰って思わずYouTubeでオリジナルキャストが演じるビデオ映像を観てしまいましたが、うん、これは良いんですよね。やっぱりちょっと迫力も違う。トニー賞の舞台だからということもあるのかもしれませんが、アンサンブルの統一感や醸し出すエネルギーがやっぱり違う気がする。

とくに主演男優賞を取ったSteve Kazeeのスタークォリティは抜きん出ていましたよね。この衣装も、後にパロディに使われたりして、とてもアイコニックだったはずですが、ロサンゼルスの主役はなぜか違う衣装を着ていました。なぜなんだろう。ツアープロダクションとはいえ、珍しいことだと思います。

下のビデオがトニー賞で演じられたAct Iの最後の一曲。小さなアート作品だった映画が、こんな風に舞台になって、アカデミー賞取って、トニー賞取って、グラミー賞も取ってしまったわけだから、凄いことです。そういういろんなことを考えながら観ていたので、それはそれでインスパイアされるひと時でした。歌になると、途端に心が揺さぶられてビックリするくらい。コンサートなら良かったかもって、批評家が書くのも分かります。

さて、次に見ることができるミュージカルはなんだろうな。「Jersey Boys」や「Kinky Boots」、そして再び「Wicked」もやってきます。最近のトニー賞受賞作品が目白押しです。今回も後ろの方は空いてたし、ヒョイッと気軽に行っちゃうかもしれないですね。家も近くなったし、それはとても嬉しいところ。文化的生活、エンジョイしましょう。

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