銃とアウトドアスポーツと安全な暮らしと

アメリカは州によって、かなり自由に法律を決められるようになっていて、国が決めて、全米ひとつにできることと、そうでないことがあります。

銃のコントロールもそのひとつ。

テキサス州は、かなりアメリカ中のアメリカ、みたいなところがあって、銃の規制はとてもゆるく、誰もが持てるし、携帯することも可能。

お酒を飲む場でも、持っていてもOK、というのは、何だか怖いものですが、そうやって州全体で均衡を保っているんですよね。

視察中に連れて行ってもらった巨大な湖の湖畔にあるアウトドアスポーツショップ。

入ると、湖の風景がどーんと飛び込んできて、体育館を2つつなげたような店内に、「野生」の演出がたっぷりと施されていて、気分はすっかりアウトドア。

ボートがいくつも並んでいて、自由に入れるようになっています。

ひとつ200万円くらいからあるんだ~、とわかったり、しっかりしたカヌーだって、3~4万円なんだな、と知ったり。

家探しの途中で回った家のガレージには、そういうカヌーが壁にかかっていたりしたものです。

ダラス周辺の湖はバス釣りの名所らしく、釣り竿もこれでもかーと数百本くらい連なっていて。

等身大の熊のリアルな像や鹿などがあちこちにいるのをくぐり抜けて反対側へ行くと、ありました。

ライフルと銃のコーナーが。

釣り竿のコーナーと同じくらい広いです。当たり前に、カウンターの向こうにズラリと並んでいます。

乾電池みたいにたくさんの種類が並ぶ銃弾。携帯用のホルダーたち。

壁にはコルクボードがあって、そこには、獲物を射止めてニコニコと記念撮影するハンターたちの笑顔が…

それはちょうど、大きな魚を釣り上げて、釣り針からぶら下げたままの状態で記念に写真を撮るのとまったく一緒。

そこへ来て、初めて私もなんとなく悟るのですね。

ああ、これは、彼らには健全なアウトドア・スポーツなんだ、と。

もちろん護身用に使われることが多いだろう短銃もいっぱいあって、ショーケースに並んでいるのですが、

それとは別に、ライフルの方は、まさに釣り竿みたいなスポーツアイテムに見えてくるのが不思議です。

いろいろと、違う価値観、違う背景、違う文化、違う常識を批判したり、背を向けたりすることは簡単だけれど、その世界に一歩近寄ってクローズアップで見てみると、そこに罪らしきものが見えないことに戸惑う場合もあります。

壁の写真のハンターたちは、本当に楽しそうで、横たわるシマウマや熊などの動物たちとの対比がすごい。

住んでいて、日常に危険を感じることはないと先住の皆は言うし、テキサスなりの厳粛なルールはきっとあるのでしょう。

うーむ、テキサス…

同じ国なのに、ハワイやロサンゼルスとは大いに違う。

違いすぎる。

異文化体験の暮らし、まだまだこれからです。