ハワイNo.1ライフコーチから学んだ3つのかけがえのないこと

ライフコーチ 上野 元

なりたい自分になって夢を実現するために、自分自身を習慣的に改良する「セルフ・アップグレード」についての連載第11回です。

自分がそもそもなぜライフコーチになどなりたい、なろうと思ったのかという話は、きちんと書いていなかったかもしれません。

セミナーなどでは話すのですが、きちんと書くと、とてつもないボリュームになってしまいそうなので、簡単にまとめます。

2007年、45歳の頃。

社長という役割を仰せつかって5年ちょっと経った頃、業績はピークで、勢いもあって、周りからはとても良い状態で見て頂いていたかもしれない頃。

実は自分にとっては、未来が見えず、いろいろと悩み多き時期でした。

社員との関係、幹部との関係、オーナーとの関係、パートナーとの関係、競合他社との関係。

いろいろな関係が「対立」の構造に見えてしまい、一生懸命伸ばしてきて、さてこの先どうしたら?と迷いが出てしまった事業のこともあったりで、不安が不安を呼び、プチパニック症候群的な症状が出たこともありました。

その頃の支えは、出張の度に日本から抱えて帰ってくる大量のビジネス書や自己啓発書でした。当時は週に3−5冊ペースで読んでいたので、年間200冊にもなっていたかもしれません。興味がある新刊が出たのを知ると、Amazonで高い郵送代を使いながら取り寄せもしていました。

そんな中で出会ったのが、アメリカNo.1ライフコーチのアンソニー・ロビンスが書いた本を、本田健さんが訳した「一瞬で自分を変える法」です。

内容もさることながら、収穫は意識の革命でした。「そうか、アメリカではライフコーチという存在があって、経営者などが皆、雇って自分を支えて、成長の後押しをさせてもらってるんだな。今の自分に必要なのは、まさにそういう存在だ」と直感で悟ったのです。

コンサルタントとも違う、メンターというのともちょっと違う。ましてやセラピストやカウンセラーとは全然違う、「コーチ」という言い方がまさにぴったりと来る存在を、自分は求めていたのでした。しかも、経営者に特化したエグゼクティブ・コーチがほしかった。

ハワイにも、ライフコーチという言い方で広告をしているアメリカ人はいましたが、心理療法士やヒプノセラピストがほとんど。が、ひとりだけ、「エグゼクティブ・コーチ」を名乗る方が見つかりました。早速契約して、1年半にわたって、公私に渡るアップグレードを二人三脚で面倒見ていただきました。

たくさんの学びがあった中で、強烈な印象を持って覚えているのが、この3つのポイントです。

常識を疑ってかかりなさい

これは先日から書いてきたことでもありますが、僕も相当、「これは無理」「あれはダメ」と、やる前から可能性を否定する癖を持っていたようです。自分では人に対しても、そうあってはいけない、と言いながら、自分の想像力が及ぶ範囲がとても狭く、それを超えた範囲のことは、やはり諦めから入っていたのです。

世間の常識、自分の中の常識は、すべてウソか幻想だと疑ってかかることがいかに重要か、毎回のセッションで思い知らされていました。

どっちかひとつではなく、両方実現するにはどうしたら?と考えてみたらいい

こっちを取れば、あっちは成り立たず。常に二者択一を迫られているかのような考え方を人はするものです。仕事を優先すれば、家庭がおろそかになる、というように、このことをしようとするならば、あちらは諦めねば…という考えが自分にもあって、やりたいことがあるのに踏み出せずにいて、フラストレーションを溜めていました。

でも、両方実現する方法だってあるかもしれないよ、考えてご覧、と何度か言われて、ハッと気づきました。最初から、考えてもみなかったなあということを。考えることにリスクなどあるはずもないのに、なぜか一歩も踏みだそうとしていなかったことに愕然とし、自分の器量の小ささを思い知るのです。

欲張るという意味ではなくて、可能性の枠を広げて考えるということを習慣にできるようになったのは、K氏から教えてもらえてからです。

仕事は人生を構成する一部である

よくワークライフバランスと言いますが、この言い方だと、ワークとライフが、一対一で存在しているかのようにも見えます。

実際の感覚値では、ワークが9で、ライフが1くらいの比重で暮らしていたのが、この頃です。

それは起きている間の時間の使い方という意味でもそうですし、エネルギーのかけ方という意味でも、そうでした。

しかし、先日も書いたライフプラン。Kさんが持ってきたテンプレートには、キャリア、という項目はもちろんありましたが、それと並行して、ファミリー、人間関係、教養、健康、旅、年収、資産、投資、スポーツ、精神鍛錬、レジャー、趣味など、たくさんの項目が並んでいました。

ワークはワーク。でも、ライフ、というのは、実に多種多彩な項目で考えるべきもので、ワークライフも決して一対一ではないことが見て取れます。

ワークが人生のすべて、みたいに生きていた自分ですが、罪悪感を持つことなく、それ以外のことの充実に時間やエネルギーを意識して使えるようになったのは、この時からでした。

他にもまだまだあるのですが、あの時、思い切った選択をしてライフコーチ(エグゼクティブ・コーチ)と出会っていなければ、今の自分はありません。

それほどまでに人の人生に大きな影響を与え、導き、成長をサポートし、可能性の大きさを何十倍にも広げてくれる存在に自分もなってみたい、と思うようになったのは、僕としては自然な流れでした。

もともと人の相談にのったりするのは嫌いではなく、経営者としての毎日も、社員やパートナー企業のカウンセリングを続けているようなところもあります。セールスだって、基本はソリューションを一緒に考えていくコンサルテーションです。

人が苦手だと思っていた時代もあったくせに、すっかりと忘れてしまって、その道を志して資格を取って準備するようになったのだから不思議なものですね。

※多分、明日、ソフトオープンということで新しいサイトとしてスタートすることになると思います。正式はあくまで4日です。

■セルフ・アップグレードの連載一覧

⇒ 第一回 2015年を「セルフ・アップグレード」元年に
⇒ 第二回 伸び悩んでいる人に共通する5つの問題
⇒ 第三回 変化に適応できた者だけが生き残る「適者生存」。自分を改良し続けて進化する必要があるのです
⇒ 第四回 「思考は現実化する」「引き寄せの法則」のウソ、ホント
⇒ 第五回 自分を改良して進化する「セルフ・アップグレード」3つのステップ
⇒ 第六回 ステップ1 「心のブレーキを外して本当の自分を知ろう」
⇒ 第七回 ステップ2 「人生のビジョンを描いて計画に落とす」
⇒ 第八回 ステップ2 ライフプランが書けない理由と対策
⇒ 第九回 ステップ3 「自分を磨き続けて夢の実現を加速させる」
⇒ 第十回 成功のらせん階段を登り続ける