「やりたいことがわからない症候群」脱出法

やりたいことが見つからないんです。
やりたいことが、わからないんです。

こういうセリフは、初セッションで
よく聞くので慣れっこです。

見つからない、わからないのは、
考えたことがないからだけで、
皆、ちゃんと内側にはあったりします。

じゃあ考えてみよって、机に向かうも
浮かばない。

長いことずっと押し殺しているので、
掃除機で圧縮された羽毛布団みたいに、
薄くなってて見えないんですよね(笑)。

一度、ビニールパックから取り出して、
日に当てて、空気にさらして、
ふっくらと息を吹き込んであげる必要が
あったりするわけです。

人によって、何が鍵になって、その
「ふっくら」現象が起きるかは違って、
だからこちらもいくつものツールを
使い分けたりするんですよね。

でも、かなり万能かな、と思うのが、
「やりたくないこと」から並べる方法。

先日も、会社員生活を長い期間
続けてきた人に、

「真夏の超暑い中で、通勤電車に
乗るの、もうイヤですよね?」

「毎日、片道1時間、往復2時間を
好きなことに使えたらいいですよね?」

と誘い水をかけてみたところ(笑)、
やっぱり会社を辞めて、通勤がない
人生が手に入るなら嬉しい、
まさに、夢のよう…とポツリ。

でも、心配はお金のこと。
そうですね、皆、結局はそこですよね。

その後、会社を辞めても、お金に
困らなくなる方法について、いろいろと
明るく模索をします。

目をキラキラっとさせて、あ、それ、
面白いかも、できるかも…と彼女が
なった頃を見計らって、また質問。

「会社辞めて、時間がたっぷりとあって、
お金にも当面困らなかったら、何します?」

すると、彼女からは、こんな言葉が
するすると出てきました。

「留学」
「海外旅行、長期滞在の」
「家庭菜園」
「エアービーアンドビー」
「本をもっと読みたい」
「いろんな好きなことのお勉強」

しばらく、彼女の思い描く語学留学の
話で盛り上がりました。

行き先も決まってて、プログラムも
わかってて、金額も知ってて…

な~んだ、ちゃんと考えたり調べたり
してるんじゃないですか~(笑)。

やっぱり、ちゃんとあるんです、
好きなこと、やりたいこと。

でも、それで稼げるわけじゃないし、
っていう風に、やりたいことと、
生活のためのお金稼ぎ、というのとを
つなげると、ブレーキのもと。

また圧縮袋の圧がかかって、希望は
薄くなり、見えなくなっていきます。

だから、それはそれ。
これはこれ。

別に稼げなくたって、損したって、
やりたいことは、やったっていい。
好きなことと稼ぐことは別でいい。

その「領域」に頭を持っていかないと、
常にブレーキがかかって、前には
進んでいきません。

何より、「楽しくない」でしょ?

正しいことを追い求めず、
損得勘定で計算などせず、
誰かの承認をあてにせず。

今のこの瞬間、留学の話をして
ワクワクしちゃってる自分の、
子供みたいな無垢の心にしっかりと
フォーカスをして。

未来の選択の基準を、
ひとつひとつ丁寧に変えていく。

…と、ここまでメルマガの下書きを
していたら、ちょうど「彼女」から
メールが届きました。
シンクロニシティ。

「いろいろな方々のお話などを
 聞かせていただき、すごく刺激を受け、
 私もチャレンジしていきたくなりました。

 ご紹介いただいた本も読んでいってます。

 上野さんのセッションを受けて、
 視野が広がった感じがすごくします。

 セミナーにも申し込んだり……と、
 今までしなかった事をしている自分が
 不思議な感じです。」

今までしなかったことを、してみる。
「必要」「マスト」「しょうがない」と
決めつけていたことを、やめてみる。

その積み重ねが、自分をほしい未来へと
運んでいきます。

私がするのは、布団の圧縮袋に空気を
入れて、ふわっとやわらかな夢を
もう一度、思い出させてあげること。

そして、すっと背中を押すことです。

(いや、時には力強く蹴りますが・苦笑)

参考記事 「好きなことがわからない症候群」脱出法