ハワイに住んでいた時、12月25日に日本人観光客がケンタッキーにこぞって出かけることがメディアで話題になったことがありました。
アメリカでも鳥の丸焼きが食卓の真ん中に置かれ、メインの料理になることが多いのですが、日本における元旦のように神聖で宗教的背景があり、家族で過ごす大切な日にこぞってファーストフード店に人が集うようなことは稀でしょう。
それがなぜ、このような現象を生んだのか。なぜ、海外に旅行に来てまで、ケンタッキーを探して、並んでまで食べるのか…。
2012年に、こんな記事も出ていました。これはハフィントン・ポストに転載されたものですが、元の記事では、「クリスマスにはケンタッキー」という1974年の広告キャンペーンがひじょうに効果的だったがために、いつしか日本ではクリスマスにKFCのフライドチキンを食べることが慣習として定着したのだと解説しています。
アメリカでは、サンクスギビングには七面鳥の丸焼きがつきもの。そしてクリスマスは、鳥の丸焼きとローストビーフ、そしてハムなどが一般的です。
サンクスギビングの習慣は、ヨーロッパから移住してきた移民が作り上げたものなので、アメリカ固有のものですが、クリスマスの習慣は、移民の出身地として多かったイギリスのものだそうです。
⇒ 各国のクリスマスディナー事情(Wikipedia)
なんとなく、こういうのって日本らしくて、僕などは微笑ましく感じますし、米メディアも別に批判したり、蔑んだりしているわけではありません(上記以外にもいくつか記事がある)。2014年も、日本ケンタッキーのホームページに行くと、こんな風に大きくプロモーションしていますね。種類も増えて、素晴らしいです。すでに23日現在、ウェブ予約はできなくなっています。ものすごい需要なのでしょうか。
実は僕はKFCでフライドチキンを食べた経験がほとんどないのですが、こんな風に見せられるとバケツを抱えながらむしゃぶりつきたくなってきます(笑)。そんな光景を夢のように感じた子ども時代もあったような気がします。コールスローという料理の存在を教えてくれたのも、確かKFCでした。
ケンタッキー、マクドナルト、コカ・コーラ。
僕は今、そんな憧れの世界ブランドを生んだ国に住んでいて、でも彼らが提供する商品とまったく関係ない食生活をおくっています。それはそれで、ちょっとだけ不思議です。
日本で暮らすイギリス人?が面白おかしく「クリスマスにはケンタッキー」現象をレポートしたYouTubeサイトが20万ビュー近くあげています。外国人の目で見ると確かにひじょうに興味深い現象です。