アメリカ在住23年でわかった英語学習法。急がば回れがかえって近道

クライアントさんからも、よく尋ねられるのに、一度も文字にまとめたことがなかった、私のおすすめする「英語習得法」。

とくに深い意味があるわけではないのですが、私自身も険しい道のりを経て今がある感じで、近道があるなら、教えてほしいなあと思うほどです(笑)。

とにかく、がむしゃらにやってきた印象がありますし、いつまでたっても外国語は外国語。

日本語並みにできるようにはなりません。

でも、アルファベットから単語やフレーズを当てていくゲーム「Wheel of Fortune」は、アメリカ人よりも早く答えられたりすることもあるので、完璧にできない分、内容を推測するカンは磨かれるものなのかもしれません(笑)。

自分が長年、取り組んできて、効果的だったと思えることを、いろいろとまとめてみました。

あくまでも、レベルを高く設定して、のお話なので、ご了承を。

【前提1】まずはマインドセットから

私はなにごとも理論から入るのが習得しやすいタイプなので、人がやってうまくいった方法をまず徹底して学びます。

直感的に、これは効果的かも!と思った教材は手に取って試すし、持続性があるので使い倒します。

なにごとも続けないと、ですね。

そこは、「バカになって」「恥かいて」それでもやめない根気、というか、辛抱強さというか、しぶとく食らいつく精神が試されます。

なにごとにも通じることですよね。

だから、まずはマインドセットなのです。

そのマインドセットを十分に発揮するためにも、「なんで英語?」を自分に明確にしないと始まりません。

なんとなく、カッコイイ(ほんと?)

なんとなく、儲かりそう(ほんと?)

なんとなく、夢が実現できそう(ほんと?)

そういう、なんとなく、だと、なかなか、瞬発力+持続力が発揮しにくいですね。

使う場面が想定されてない学習は、今ひとつ本番での効果が薄いもの。

なにより回り道する必要がないところで回り道ばかりしてるかもしれないです。

私の場合、「アメリカ人と付き合いたい」という、公に言うには恥ずかしい、でも強烈なモチベーションが実はありまして…(苦笑)。

20歳を過ぎた頃から、好きになるのは東京在住の英語ネイティブの人だったから、かなり必死だったのです(汗)。

気づけば、いつも英語ネイティブのグループの中にいたりしました。

海外在住体験もある日本人男子のきれいな英語と比べては愕然とし、パーティで会話を振られて真っ白になり、汗だくの自分に失望したり…。

それでもやめなかったですねえ~。カセットも単語本も、繰り返し利用していました。

なんでこんなにまでして英語を一生懸命、努力して学ぼうとしてるんだろう、と不思議でした。

でも、その意味が、31歳の終わりに、ハワイに行った時にわかったのです。

「ああ、この人と出会って、一緒に暮らすために準備をしてきたんだ」と。

わけのわからない焦燥感にかられて取り憑かれたようにやってきたことにも、ちゃんと魂レベルの意味があったんだな、と納得。

だから、今、理由がわからなくても、直感の赴くままにやっていくのも、きっといいことなのかもしれません。

そんなことも、かつてブログに書いていましたね。

参考 思えば英語習得にはずいぶんとお金を注ぎ込んだ。見返りは何だったのだろう

前置きが超長くなりましたが、私が今、クライアントにもおすすめする学習法は、こちらです。

【前提2】「英語が話せる」とはどういうことかを確認

英語なんて、度胸。

文法なんて、どうでもいい。

単語なんて、これだけでいい。

発音なんて気にするな。

そういう言葉はよく聞きます。

そして、それは「ある場面」「ある対象者」「ある用途」においては、正解であることも、あります。

が、たいていの方の場合、英語が話せるようになりたい、というときには、日本語のように、とか、ネイティブのように、とか、夢見ながら言うわけです。

観光旅行で度胸試し、みたいなことではないですよね。

仕事で使える、とか、そういうレベルのことを言っていることが多いように思うのです。

望むレベルがそういうことならば、やはり正統派が一番近道である、と私は思います。

でも、その正統派って、単にネイティブと話してればいいってわけではない。

ほんの少しのコツがあるかと思います。

そんな前提にたって、教養ある人の前で話せる英語が、いずれは身につく可能性がある、勉強のしかた、というお話をしています。

そこのところ、ぜひご理解ください。

【1】まずは語彙を増やすこと

これは、単語、フレーズ、両方です。

日本語だって、知らない言葉は聞き取れないし、聞けても意味はわかりません。

英語も同じ。当たり前。

知らない言葉が少なければ少ないほど良いわけですが、子供の頃からその土地に住んでいないと、習得できる語彙力には限界があるものです。

それは、学校教育の責任でも何でもありません。

だから、まずは、TOEICやTOEFL(留学用の英語テスト)など、日常的によく使われる単語をまとめた例文集などを見つつ、例文ごと全部理解する練習をすると良いと思います。

どの単語も、「こんな時に、こう使う」という事例つきで学ばないと、会話で役に立たないですよね。

テストのための勉強は無駄、とは私は思いません。

すべて、ものは考えよう。ゲーム感覚で、点数をどんどん上げていくことで、やる気も出ますしね。

TOEFLは、大学に入るための英語力を知るものなので、小学校から高校生まで、アメリカ人なら普通にくぐり抜ける、学校教育で出てくる単語やフレーズが試されます。

地理、数学、化学、生物、歴史。そんな単語が含まれた例文がいっぱい出てくるんですよね。

「ああ、なるほど、日本で言われる英語学習法だと、ここ、ごっそり抜けるわ」

ハワイの英語学校のTOEFLクラスを取得しながら、そう思いました。

そして、これがわからない、イコール、学校行ってないで育った大人って感じで、やや教養のない感じの英語になっていくのだな、とも理解できました。

それが、私が、TOEFLもやるといいよ、とオススメする理由です。

今は、素晴らしいアプリも安価で出ているし、いろいろとツールを利用すると良いかと思います。

例えば、英語学習者にはおなじみのアルクさんから出ているアプリ、キクタンは習慣化しやすくていいですね。

クライアントさんのため、ということもあるので、「キクタンSUPER 超上級者に」と「キクタンTOEIC990点」のふたつのアプリを私も購入してやってみたところ……

「これ、クリアできないで、まともな日常会話って、できなくない?」

という素朴な疑問がわきました。

もちろん、全単語を知っている必要などないのですが、少し目標(スタンダード)は高めに置いた方がよろしいように思われます。

参考 キクタン

【2】生の会話シーンを見る

今は、Netflixだったり、Amazonプライムだったり、HULUだったり、CSだったり。

アメリカの映画やTVドラマがこれでもか~というほど無料で見れる環境があります。

その時に、日本語じゃなくて、英語の字幕を出して、今、なんて言ったのかを目で確認しながら見ることができると、素晴らしく会話力に貢献します。(サービスによって、可能でないものもある様子)

私がハワイに移住した時は、根が好きなもので(笑)、朝から晩までキャプション出して、TV見まくりでした。

ああ、こんな時に、こんな風に返すのか。

ああ、怒った時にはこんな表現を使うのか。

ああ、こんな感情をこんな風に言うのか。

リアルな事例を、場面、場面で確かめていく。

感情を交えた、生のトーン、イントネーションが伝わって、本当に勉強になりましたね。

語彙力もフレーズ力も、飛躍的に増えていきます。

よくエイリアンがTVを見ながら英語を覚えるシーンがSF映画であったりしますが、たぶん、赤ん坊が言葉を覚える過程も似たようなものなんだろうなと想像します。

時にドキュメンタリーで、生物やら地理やら歴史やら料理やら政治やらの話を見ると、ボキャブラリー量も表現力もグンと跳ね上がります。

知的、とか、教養とかって、どれだけの言葉とそれに紐づく概念を知ってるか、ということでもあったりしますよね。

知性を磨くことにもつながるし、英語にも丁寧語や、インテリ語、慇懃無礼な表現などさまざまにレイヤーがあるのも学べます。

そもそも、楽しいし、退屈しないし。

社長になって、アメリカ人の部下をもったときに、ちょうど流行っていたのが「24」。

ジャック・バウアーやら、組織内の上下関係で使われる指示、叱咤激励の生々しい会話がものすごく参考になり、そのまんま使わせていただいたこともありました。

「Let me see what I can do for you」 (by ジャック・バウアー)

なーんて言葉も、さらっと言えたりすると、おお、ネイティブっぽい~って感じですよね。

「ちょっと考えさせて」的な、便利な逃げ文句だったりもするのですけれど(笑)。

TVや映画を使った生の会話の学習法、絶対におすすめです!

【3】音と文字をくっつける

これは人それぞれ、意見があることかもしれませんが、私は、文字として目で確認しないと、記憶に定着しない方です。

セミナーも、スライドとか資料がないと、全然、印象に残らない。

なので、代わりに必死にメモ取りまくります。

人それぞれ、目、耳、触感など、優位な感覚があるので、それにふさわしいことをすればいいのですが、私は、視覚優位型。

日本語でも知らない言葉を聞くと、「どうやって書くのか」を確かめて、文字で記憶しないと忘れます。

TVや映画で見て、流れの中で、あの言葉やフレーズはきっとこういう意味だろうとメモしたり、その場で止めて、スマホ辞書で調べたりして、その場で理解してしまう方です。

ウエブサイトやKindleでの読書中だと、クリックひとつで辞書機能が起ち上がって便利ですよね。

もしあなたが視覚優位型ならば、そうやって文字として確かめて覚えるやり方も効果的かと思います。

【4】発音を徹底練習する

よく、「発音なんてどうでもいいんだよ~」というアドバイスを耳にしますよね。

あれは、「発音を気にしすぎて、全然言葉が出ないくらいならば、何でもいいから、しゃべってご覧」という意味くらいに私は思っています。

実際、勢いで、伝えたいことを、大きな声で必死で言い続けると、まれに伝わることはあります。

声のデカさ、態度のデカさが、正確さを圧倒する瞬間(笑)。

だけど、多くの場合には、発音が悪ければ、別な言葉に聴こえてしまって解読不能。

会話は成立していきません。

便利なカタカナの存在が、日本人の英語をダメにしています。

「英語で聞いて、英語として繰り返すのではなく、一瞬にして頭の中でカタカナ表記に直してしまうんだよ」

日本人に発音を教えているネイティブの先生が、以前、そう嘆いていました。

日本語って、包容力があって、すべての国の言葉を自国語として取り込むことができる。

カタカナが、外来語を日本語化するのにすばらしい活躍をするんですよね。

我々も、一瞬でその芸当をやっています。でも、それがアダになる…

口の開け方、唇の力の入れ方、舌の使い方が、日本語と英語で全然違うので、カタカナで発音すると、どうしても違う音が出てしまいます。

すると、違う言葉として認識される。

ゆえに向こうは「???」となる。

「What?」とか、「Huh?」とか、怪訝な顔で聞き返されるのって、日本人はとっても苦手ですよね(苦笑)。

私も想像しただけで、赤面しちゃいます。すると、もう喋りたくなくなる。

ですから、発音は発音で、できれば先生について学ぶといいと思います。

自分ではまったく聞き取れなかったり、違いが見えなかったり。

でも、辛抱強くやれば、あ、これだ!と分かる日がきっときますから…。

あと、外国人(日本人)に慣れたネイティブさんは、いつしかちゃんと間違った発音も聞き取れるように、耳が寛容になってしまいます。

だからこそ、専門の発音の先生につくのが良いと私は思います。

私も、PR会社を雇って、ハワイで地元メディアに出るようになってから、発音矯正の個人教授に通って特訓しました。

番外編:日本人から習うことのメリットは特大!

あと、番外編としては、最初はネイティブよりも日本人に習うといいと、私は思っています。

こんな時には、こういう風な表現を使うんだよ、ということを、まずは日本人から教わった方が、大人の英語の学習には適していると。

とくに必要な場面が決まってる場合には、その方がはるかに早く習得できますよね。

英語の会話は、映画でもおわかりのように、日本語と同じコンテクスト(文脈)ではなかったりします。

だから、コミュニケーション術の基本を、まずは論理や知識として知っておいた方が良かったな、と、英会話学校でいきなりネイティブとの個人レッスンを受けたときに思いました。

(30年前の話です…)

それに、文法って、大事なんですよ。

どうせ話すなら、日本語と同じ知性レベルで話したいではありませんか。

通じるか、通じないか、というレベルの話をしているときは別に文法など気にするな、そんな勉強はいらない、と言うかもしれませんが、その先に進むときに、やっぱり必要になりますし、知ってないことは「壁」にすらなっていく。

そんな例は、大学でも大学院でも、仕事場でもいっぱい見てきたんですね。

別に学者になるわけじゃないので、最低限だけわかればいいけれど、仮定法とか、あまりにも日常的によく使われるのに、学校だと高等レベルに入れられているので、その辺は優先順位を変えていくといいのになと思います。

ちょっとした復習をして基礎を再確認するだけで、覚えたことを応用できる範囲は一気に広がりますし、会話を聞くことも、理解することも、しやすくなります。何より読み書きがしっかりします。

文章丸暗記ではそれが難しくないのかな~と、中学英語のやり直しを提唱する英会話学校で学べて、とても良かった体験をしたので、私はそう信じてます。(30年前の話です…)

とにかく、「なぜ必要か?」「何に使うのか?」「どこまでできるようになりたいのか」を明確にしてから学習法を見当するのって、とっても大事ですね。

誰の、どんな意見を聞くのかも、本当にそれ次第なんです。見当違いの人のはなしを鵜呑みにしても、仕方がない。

上記すべても、ネイティブにいずれ近づきたいなら、やっぱり…、というレベルの話ですので、そこまで求めてない方には、不要な要素も多いかもしれません。

最後に。

アメリカに住んでいるから英語ができるようになるわけでは、まったくありません。

実際、アメリカ在住者(LA地区)の9割が英語に悩んでいるという結果が、前職でのリサーチでも出ています。

英語学習法のヒントも載っていますので、ぜひ参考に。

参考 アメリカ在住者の、なんと9割近くが英語を何とかしたいと切実に願っている

その他にも英語関連の記事をいくつか書いています。

よろしかったら、ご参考にしてみてください。

参考 英語力アップを劇的に加速させる魔法のツール2種!

参考 なぜ、どれだけ英語を学んでも話せるようにならないのか?

↓ こちらの、「TOEICを捨てなさい」は、決して体当たり英語の奨励ではありません。語彙や文法を知らなくてもいいよ、ではないので、ご注意を。

むしろ真逆で、まずは語彙、フレーズを丸暗記、というところからスタートする、大人のための人気英語習得法です。