「ライフコーチ」を受けると、人生がちょっと辛くなる。だから、いいようです

kyotoasageiko3

半年、一年、一年半、と、長い間おつきあいしているライフコーチのクライアントさんを拝見していると、彼らの日々が必ずしも「楽(らく)」になっていないことに気がつきます。

どちらかというと、「辛く(つらく)」なっている、とすら見えて、あれ、良いんだっけ?と、じっくり省みることにもなります。

彼らのそもそもの動機やら、思惑やら、ライフプラン(人生の設計図)などに思いを巡らせてみると、いや、大丈夫、これで正しいはず、と思うのですが、今、この瞬間だけを見ると、ちょっとたいへんそうだよね、という姿も見えて、手を差し伸べたくなったりもします。

なぜ、皆、辛くなっちゃうんだろうなあ、と思って、理由を考えてみたのですが、以下の5つが思い当たりました。

1.より難しいことにチャレンジしているから

2.より苦手なことにチャレンジしているから

3.今までと同じ結果では満足できなくなっているから

4.「できる」ことがわかってしまい、諦めることができなくなってしまったから

5.辛さの向こう側にあるものが見えるようになって、辛さを追い求めてしまうから

ということで、いずれも、悪い理由なわけではないのだと思っています。

例えば、とあるクライアントさんは(該当者が複数、いるのですが)、ちょっと苦労しながらも、なんとなく心に描いていた場所へと転職をして、でも、そこで「時間がない」「能力が足りてない」「心の強さが足りてない」「慣れない環境であたふた……」など、今までのぬるま湯にいた時にはしなくて良かった苦労=チャレンジ、を体験していたりします。

かと思うと、ひとりで、手探りでビジネスをしてきた人が、手取り足取りのコンサルを受けて、より高い目標へ向けて努力を始め、知らない領域へと踏み込んで行っては、壁にぶち当たってもがいたり。

あるいは、新しいビジネスを立ち上げようとしたはいいけれど、準備だけでも四苦八苦。その上、それをマーケティングし、セールスしていくところで、足踏みして汗をかいたり。

盛り上がった気持ちと、未来への不安と、大きな夢と、自分を信じる心と、実際にできることとのギャップに苦しんでいるクライアントさんもいます。

それらは、「ライフコーチを採用しなかったら」、もしかしたら知ることもなかった苦労、辛さ、なのかもしれません。

そう思う時、少し責任を感じてしまうのですが、でも、こちらから押し売りしたわけでもないし、そもそも、クライアントの皆さんから、「求めた」んですよね。

その、求めた自分を、ぜひ大事にしてほしいし、それこそが、本来の自分であるとも言えるわけだから、私は、彼らが自分から口にした未来への夢や抱負や希望や生きがいなどを実現するべく、ペースメーカーとして、一緒に二人三脚で歩くのみ、です。

辛い、ということは、それまでとは違う「負荷」が心身にかかっている、ということの証拠です。

それは、成長のために不可欠な、超回復を促す負荷であり、望み通りの(それに近い)人生を生きるためのトレーニングです。

もちろん、トレーニングだから、苦しまなければいけない、ということではありません。苦行にする必要はない。

痛みを感じたら、辛さを感じたら、あ、今、ここが、成長しどきなんだな、よしよし、と、ちょっと筋肉痛になったところをストレッチしたり、マッサージしたりしながら、淡々と、前を向いて進んでいけばよいだけです。

そこで、「ジャッジメント」をしてしまうと、辛くなります。

なんでできないんだ、自分……、なんで今までやってこなかったんだ、と自分や自分の過去を責めたり、嘆いたりしても意味はありません。

「やっぱりタイミングじゃないんじゃないか」とか「向いてないんじゃないか」と疑ってしまったりするのも、陥りがちな罠ですね。

必要があるか、ないか、なかなか自分では見極めがつかなかったりしますが、そこを一緒について、客観的に見てさしあげるのも、ライフコーチの仕事です。

よく、「タイミング」という言葉を言い訳に使う人がいます。

面接に、何度も落ちる。これって、今、転職をするべきではない、今がそのタイミングじゃないってことを言われてるんじゃないか。

そんな風に、「都合よく」チャレンジを止めるための言い訳に使う人がいるのですが、そこは見逃さずに、指摘してあげないとなりません。

不思議なことに、「このクライアントさんに、今、このことを言ってあげたい」と思って口にしたり、文章にしたりすると、それって、実は「今の自分に響くこと」だったりもするのですね。

あ、自分が全然、できてないや、それ、とか。

あ、自分がそこ、悩んで止まってたじゃん、とか。

あ、自分がその言葉、言い訳に使ってんじゃん、とか。

ぼろぼろ出てきて、恥ずかしい限り。そうやって、自分を見直すために、自分をさらにアップグレードするために、自分はこんなことをしているのだろうか、とすら、思ってしまうほどです。

とにかく、思いがアップグレードされたクライアントさんには、それにふさわしい、より強力なチャレンジや難関や問題や壁が立ちふさがってきます。

それは降って湧く、というよりも、今までも目の前にあったのに、気付かずに避けて通っていただけのことばかりです。

それらを、ロールプレイングゲームのように、ひとつひとつ、失敗しながら、くじけながら、自分を鍛え、武器を見につけ、ゆっくりと着々と淡々と、くぐり抜けて、次のレベルに上がっていけば良いようです。

いつも、応援しながら、応援され、そして、励ましながら、励まされています。