あえて「やりたくない」ことリストを作ってみることの効能

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私の「セルフ・アップグレード成功術」の中には、100個のやりたいことリストを作ってみよう、という設問があります。

皆の心のブレーキを取っ払って、「ほしい!」「実現したい!」「こうなったらいいなあ」を遠慮無く、気兼ねなく、並べてみませんか?というアクティビティです。

もちろん、100個というのはかなりなもので、ほとんどの方がなかなかできないのですが、そのまま「できな~い」で終わってしまうと、ちょっと残念ですね。

そういうとき、どのくらいの「違うやり方」「違う考え方」「違うアプローチ」ができるか。

その引き出しの多さが、その後の、成長をわける重要な決め手になってきます。(他のすべてのことにおいても、同じです。)

「行動の柔軟性(Behavioral Flexibility)」とNLPでは呼んでいますが、要は、オプションをいくつ持っているか、ということです。

これがダメなら、あれ。あれがダメなら、また別のやり方。

よーし、そう来たか、ならば、今度はこんな戦略で対応してやるぜ!とゲーム感覚で延々と丁々発止できたら、「失敗」なんて言葉、自分の辞書からは消えてなくなりますね。

100個のやりたいことリストがうまくできた人も、できなかった人も、一度、ぜひ、これに挑戦してみては?と思うものがあります。

それは「やりたくない」「ほしくない」「望ましくない」ことを羅列したリストです。

ここでは簡単に、「やりたくないことリスト」と言うようにしましょう。

これをやることで、逆の意味で、「やりたいこと」「ほしいこと」「望ましいこと」がくっきりと浮かびあがってくるのです。

例えば、ワークショップなどでやると、こんなことが、参加者から出てきます。

「やりたくないこと」「望ましくない状態」

・時間に縛られること
・会議に振り回されること
・自分で収入を決められないこと
・自由がないこと
・休めないこと
・細かく管理されること
・意味なく忙しいこと
・家族に会えないこと などなど……

これらはもちろん一例ですが、いずれも、心の叫びにも似た「真実」があるように思います。

私たち日本人は、我慢が美徳と教わってきました。それは、ある意味、正しい倫理だと思うのですが、でも、しなくていい我慢もある。

そのことで、自分を犠牲にしたり。

そのことで、自分に嘘をついたり。

そのことで、大事な人を傷つけたり。

そんなことにつながる我慢は、してはいけないはずだし、誰も本当はあなたに望んでなんかいないのです。

なのに、こんなことを嫌がったら「我慢が足りない人間と思われる」とか、「弱い人間と思われるのではないか」「わがままだと叱られるのではないか」「都合良いと馬鹿にされるのではないか。

そういう不安や怯えが、心のブレーキとなって自分の「真実」を見つめることを妨げます。

そのブレーキを上手に外すためにも、まずは、「やりたくないこと」を素直に羅列してみることに挑戦してみてはいかがでしょうか?

えー、こんなこと書いていいのかなあ…こんなこと望んでいいのかなあ…いろいろ葛藤が出てきますが、一切、無視しましょう(笑)。

ここではジャッジメントをしないで、ただ並べるだけ。いろいろ出てきたら、今度は、それを「裏返し」して、希望に変えていけばいいのです。

「時間に縛られる」のが嫌ならば、きっとあなたは「時間に縛られない」生き方を望んでいるのでしょう。

「休めない環境」が嫌ならば、あなたは間違いなく「もっと休みたい」あるいは「自由に休みを決められる」ライフスタイルを選択したいと思っているはずです。

わきあがってくる、罪悪感に似たいろんな気持ちを味わってみることも、有意義なことかと思います。

それは、あなたが対峙していくことになる「世間」の声=常識でもあるかもしれません。

ブレーキの強いクライアントさんとのセッションで試してみても、とても効果がありました。