続けるためには慎重なペース配分を。持久力と瞬発力を併せ持てば最強

本格的に季節は春になり、ロサンゼルスは日差しも強く、イースター祭の週末、人々はビーチに繰り出しています。

ビーチバレーやサーフィン、BBQ、犬の散歩を楽しむ人々を横目に、僕は5月3日のOCマラソンのために長距離練習。32キロ(20マイル)のスロージョグをしてきました。

本番のペースよりもグンと落とし、ゆっくりと距離を身体に刻み込んでいく練習。32キロという長い距離を走り通せるように、体力が尽きないペースを設定して走ります。

マラソンを通じて体感した、この「ペース感覚」を、生活のあらゆる場面に活かせるようになったのは収穫でした。

ビジネスでもパーソナルなプロジェクトでも、成果を出すためには、コツコツと地道な努力を続けることが不可欠です。

ある日、思い立ってガーッと根を詰めて長時間働いてみても、翌日はその疲れが残って集中できず、全然はかどらないなんてことは、誰しも経験があると思います。

初日はたくさんの成果が出せて喜んだものの、次の日は燃え尽き症候群のような状態になってしまい、まったく集中できず。2日間の成果を冷静に見てみたら、実は、少しずつ2日に分けてやった時の方が、優っていたりするものです。

ペースが乱れた状態で作業をすると、その疲れは意外に尾を引き、その後もリズムに乗れず、結果、その作業が嫌いになってしまうこともあります。

やらねばならない時も、疲れた記憶が顔を出し、ついつい後回しにして後で追い込まれたり。

締め切りギリギリまで放っておいた仕事をこなす時も、こんな状態になりがちです。

前もって完了に必要な時間を見積もって、スケジュールを逆算して立て、コツコツと少しずつやればいいのに、追い込まれて取り組むものだから、必死の形相。

火事場の馬鹿力でとんでもない集中力が出て、なんとかこなすことはできたりしますが、望まれたクオリティで成果が出せるかどうかは運次第。細かなチェックをする時間も、やり直しする時間もないのだから一発勝負。大事なプロジェクトだったら、とても危険な状態です。

終わった瞬間、疲れが一気に出て、その後の生産性はガクンと落ちてしまいます。

もちろん何もかもが自分でコントロールできることばかりではないでしょう。

突然、締め切りが目の前に迫ったプロジェクトを与えられて、短時間でこなさねばならないなど、やむを得ない場面はあるものです。

だからこそ、そんな時のために、常日頃から多少の「余力を残す」ペース配分が大切なのだと思います。

いつも何かに追われて、根を詰めて仕事しないとならないのだとしたら、大事なプロジェクトを与えられても、こなす時間はありません。

ゆったりペースで淡々と仕事をしつつも、いざとなったら全速力でダッシュができるくらいの、体力の蓄積がある状態を残せたら理想です。

(理想は理想で、自分が完璧にできている、という意味ではまったくありません・苦笑。いつも書いているのは、自分への戒めの文章だったりします。)

淡々と仕事をすると言っても、ダラダラするのとは違います。

要所、要所ではきっちり必要な集中力を発揮し、最短時間で最大の成果が出せるようにすることは大切です。

その上で、いざという時に「瞬発力」も発揮して、短期間で驚くほどの生産性が発揮できるようにもしておく。そして、瞬発力を発揮した後でも、たいした疲れは見せず、また普段の淡々としたペースに戻っていける。それが本物のスタミナ=持久力、ということですね。

できる人、と呼ばれるためには、「持久力」と「瞬発力」の両方が必要なんだろうなあと思います。

最後にまたマラソンの例になりますが、マラソンでも、記録を上げていくためにはスピード練習が不可欠です。

僕がプロのコーチの練習法などを参考に挑戦しているのも、800メートルを全力でダッシュして、200メートルゆっくりジョギングして休むのを1セットとして、4−5セット繰り返す「インターバル走」という練習法。

ロングをゆったり走ることと、短い距離を全力で走ること、さらに短い坂道をダッシュで駆け上がること、あるいは、やや早めのペースでロングを走ることなど、ペースを変え、距離を変え、無理をし過ぎない範囲で自分に負荷をかけ続けることで、身体は常に高いレベルの刺激を受け、成長を続けていくことができるようです。

フィジカルな体験は、とてもピュアなだけに鮮烈で、「真理」として潜在意識の奥底に刻み込まれるものですね。