相方も私もミュージカルが大好きで、ブロードウエイやら
ロサンゼルスのハリウッドのシアターやらで、さんざん見ています。
ハワイ時代も、有名ミュージカルがツアーで来てくれたり、
ロコたちのプロダクションも、とてもレベルが高かったりして、
かなりの本数を見に行きましたが、そのたびに
やっぱりエンターテインメントの国なんだなあと感嘆したものです。
コンサートって、音量の大きさがじゃまをして実はあまり好きではないのですが(ライブDVDは好き・笑)
ミュージカルは、やっぱりステージに近い席でのライブが一番。
生身の人間が、目の前で、肉体だけで繰り広げるパフォーマンスは、
映画の特撮や編集みたいなものとは無縁。
仕掛けや舞台装置や衣装はあるものの、基本は生演奏と生声ですからね。
人間ってすごい!って、素直に感動できるんです。
日本出張中に、ミュージカル界のアカデミーみたいな「トニー賞」の授賞式がありました。
人気ミュージカルがパフォーマンスを見せてくれることもあり、いつも楽しみに見ていますが、
今年、驚いたのは、主演女優賞に輝いたエレイン・メイさん。
初受賞というか、ノミネートも初めてのようなのですが、なんと御年87歳!
その見た目の若々しさにも、驚き。
上の写真は、先週の授賞式の、つまり「現在」のお姿です。
映画やテレビと違って、舞台は、生身のもの。
そして、ブロードウエイは、連日、連夜、同じパフォーマンスを繰り返し披露する、100%体力勝負でもある。
それを80代後半で現役でやっていて、そして初めて栄えある賞を受賞してスポットライトを浴びる、という人生。
おもしろいですよね〜。
動きも、お話も、口調も、トーンも、現役感たっぷり。
「そんな歳まで働いていたくなんかないわ〜」という方もいるのかもしれないけれど、
どうせ生かされてしまうのならば、充実した人生の方が、良くないのかなあ。
87歳といえば、日本女性の平均寿命。
今の87歳って、こんななのよ、って、サラッとお手本を見せてくれた感じで、嬉しくなりました。
彼女から見たら、40代なんて、まだまだヒヨッコ世代。
でも、その頃から脚本家としてアカデミー賞にノミネートされた有名映画がいくつもあって、
そのひとつ、「天国から来たチャンピオン」って、
40年前、私が高校生のときに、学校さぼって見に行った大好きな映画なんですよね(笑)。
(当時から、アメリカ映画が大好きでした。)
今の時代、人のキャリア人生って、そんなにも長いものなんだなあと感慨深いです。
87歳の自分が、今を振り返ってみたときに、どんなメッセージを伝えたいと思うんだろう?
眼の前のTVスクリーンで元気にスピーチをする彼女を眺めながら、
ふと、そんなことを思いました。
小さい日常の悩みとか、そんな長いスパンで見たら、道端の砂粒みたいな微小さで、
時間の風に吹かれて、きっと記憶から消え失せていることでしょう。
先日も、大器晩成についてメルマガで書いたのですが、
そうそう、こういうことじゃん、っていう見本がここにもあった。
年齢という数字のマジックに負けがちな方々にも、
人生の長さを想像する力がいまいち足りない人たちにも、
ぜひ伝えたいな、って思ったのでした。