ほめることと叱ること。伸びるのはどっち?

先日、犬のしつけ教室に通い始めています、なんて話を書きましたが、

アメリカ人のセミナー受講態度がおもろいよ、という部分に共感のコメントをいただきました。

こんな風になれたら、学びも楽しいよな〜という感じなのですが、その様子を語ったビデオも好評でした。

アメリカ人セミナー受講あるある!

で、今回は、その「しつけ」に関して、セミナー中で出てきたお話が興味深いので、シェアしますね。

昔、噛み癖のある犬なんかを、軽く叩いて叱ったり、

オシッコ癖が身につかない犬を叱ったり、エサをあげなかったり、

そんな「お仕置き」風なことをするのは当たり前だったようなのですが、

「今は、それが有効な手段でないことがわかっています」とインストラクターが明言。

そこで、ほう、となったのは、まあ「人も一緒だよな」と思ったからです。

彼女は続けます。

「叱ることの意味がわからない犬に、ネガティブなエネルギーを投げても恐怖心を煽るだけ。

逆に吠えグセがついたり、飼い主を怖がったり、隠れてその行動をしたり、

望むような結果にはつながらないことがわかってきているんです」と。

じゃあ、どうしたら?ということになるのですが、それについては、とにかく、このひとこと。

「ほめてあげてください」と。

「アナタの望む行動をしたことに対して、無条件に褒める。

ご褒美となるエサを上げる。撫でる。声を掛ける。

それを、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もやって、

ようやく犬は、人間がそうあってほしい、そうしてほしい、と願う行動を身に着けていくのです。」

一見、ド素人飼い主にはハードル高そうかな、とは思うのですが、

でも、実際にクラスの現場で言われたままにやってみると、うちの子は賢いので(親バカ・苦笑)、

いとも簡単に身につけていくんですね。

おすわりとか、一瞬で覚えてくれる。

もちろん、難易度の高いこともいっぱいあるし、しつけに終わりはないわけですが、

ほめればいいのならば、それって楽だし、何より平和的だし、犬も喜んでやってくれるから自分が楽しい。

人を叱るって、いくらそこに愛情があったとしても、辛いことじゃないですか。

ましてや、感情でイラッとして叩いたり、冷たくしたりっていう瞬間が1日の中にあるだけで、ストレスだし、

クオリティ・オブ・ライフが大いに下がる。

それじゃ、何のためにペットを飼ったのかわかりません。

これはもちろん人間の子どもでも言えることだし、

というか、「言葉の分かる」ある程度の年齢になった人間の子どもだとしたら、

より、「褒めて育てる」「褒めて伸ばす」が当たり前なんだろうな、とも納得です。

そしてそして、大人だって、もちろん一緒です。

それに、自分だって、一緒です。

人に対して、自分に対して、批判してばかり、叱ってばかり、不機嫌になってばかり、冷たい仕打ちをしてばかりいても、

望む結果は得られないで、ますます憂鬱が募るだけ。

それより、できていることだけを見て、褒めて、褒めて、褒めて、褒めて、

豚もおだてりゃ木に登る状態で有頂天になってハッピーに生きさせる方が、はるかに楽しそうだ、と思う。

犬の話に戻ると、無駄に手を噛むのも、オシッコをあちこちでしちゃうのも、赤ん坊だからだし、仕方がない部分も大きい。

改善すべきは自分の期待値や、しつけの知識とスキルなのよ、とセミナーでも諭されて、皆、神妙にうなづいていた次第です。

そのとき私も、昔、こんな記事を書いたっけな、と思い出しました。

人をほめられない人の7つの理由

そして、それは、「自分がそうだったから」にほかならないのです。

今もまた、違う場面で、違うやり方で、「他者との関わり」やら「無条件で受け入れること」やらを教わっている感じ。

いやいや、人間の子育てをする人生は、今からないかもしれないけれど、

すごく似た体験はさせてもらっていて、有り難いものだと感謝しています。

ペットを買う暮らしって、人を育ててくれるんですね。

ご興味のある方へ。この本が素晴らしかったです。無料です。

コミックエッセイ 犬が教えてくれたこと