アーリーリタイアという幻想

ハワイにいた頃は、日本から訪れる無数の方とお話する機会がありました。

ハワイシニアライフ協会の立ち上げメンバーとして関わらせていただいた経験が、人生を変えたのですが

(そんな話はこちらに詳しく↓)
ハワイライフを満喫するために知っておきたい3つの学び

日本から、2ヶ月に一度くらい来る会員も珍しくはなく、毎回、結構な長期滞在をされるのです。

聞いてみると、もちろんすでに仕事はリタイアされていて、ハワイにコンドミニアムを所有していたり、タイムシェアを何口も保有していて。

成功した事業を売って早期リタイアをした60そこそこのご主人と奥様もいらして、70代後半がメインのシニアライフ協会に、なにゆえに入ってこられたのかな、と思って聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。

ハワイにいても、暇なんです(汗)。

日本のメンバーの多くは、友人探し+イベント参加を理由に入会されていました。

ハワイに来る時間やお金はあるけれど、やることがないし、話す人もいない。

最初はひとりもいいのだけれど、だんだんと飽きるというのです。

それは、70代だろうが、80代だろうが、皆、同じようでした。

ああ、人間、やっぱりちゃんと毎日「やることがある」って、大事なんだなあ。

身近に話す人がいる、というのも、しっかりと刻み込んでおかないといけない教訓だなあ、と思いました。

ハワイに惹かれて、ハワイに住みたい〜、移住したい〜という方は、毎日ゴルフができる、毎日サーフィンができる、毎日ビーチで寝転べる、と旅行気分で思うわけですが、

毎日やったら何だって飽きます(笑)。

7日はいいけど、365日は無理。

旅行中に思うことと、生活の拠点にしたときに感じることは全く別なのです。

人生80年時代には、アーリーリタイアという言葉は存在したのですが、人生100年時代になったのだから、当然「アーリー(早期)」の意味も時期も変わっています。

それどころか、ノーリタイア時代、という言葉すら言われる時代。

大人世代の必読書「ライフ・シフト―100年時代の人生戦略」でも、盛んに警告しているではないですか。

なかなかリアルに考えるというのは、難しいものなのでしょうね。

こちらの記事に、まだ30代の筆者が、スパッと鋭い意見を書いていました。

「アーリーリタイアが幸せ」という幻想

早くリタイアしたい〜という方は、やはり雇われの身で「自由な選択権」を持たない方が多い。

仕事が好きとか嫌いとかではなくて、ただ自分の時間を自由に使える権利がほしいのですよね。

それを単純に、アーリーリタイア、セミリタイア、という昔ながらの言葉を使って表現しているだけなんだろうなあ、というのが私の解釈です。

でなければ、あまりにも想像力がなさすぎか(苦笑)。

自己決定権をどれだけもっているかどうかで、その人の「幸せ度」は決まるといいます。

でも、自由でなんでもできる時間があるからこそ、何を生きる喜びとするのかが問題です。

お金がなくなる不安と、時間が有り余る絶望と。ダブルでのしかかって来られたら、幸せ感どころじゃありません。

好きなことをして、稼ぎ続けて、人に貢献し、感謝される手段を手にすることは、人生100年時代には「必須項目」なのかもしれませんね。

この人たちも、人生、まるで休んでなくて、延々と楽しみまくっています。

90歳から人生のピークを更新し続ける人々

私のお手本です。