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どうしたらアメリカで働けますか?と質問されることがある。「さて、どうしたらいいと思いますか?」というのが、僕なりの一番良い答えなのだけれど、意地悪ぅ、と思われるだけなので止めておく。
2014年の今、コネなし、実績も一般人並という人がアメリカの会社でいきなり社員として採用されるのは、ビザの問題で著しく困難だ。普通、最初から選択の対象にはしない。ビザの状況がどれだけ厳しいことになっているかは先日書いた記事「外国人のアメリカでの就職はますます困難に」をお読みいただきたい。
という状況で、日本在住でも唯一すぐにアメリカで働き出せそうなのが、18カ月インターンとして正規に働けるJ1ビザを取得しての「研修」プログラムだ。国務省が管轄するなんとも太っ腹なプログラムで、とてもアメリカらしい話なのだが、これから新しいキャリアに進む人や、今のキャリアをもっと伸ばしていくために「学びたい」という人に教育の機会を与えてあげようじゃないか、という主旨なのだ。
これからの、ということなので、不文律的に35歳が上限かと言われたりしている。以前は40歳くらいでも平気だったけど、エージェントさんによって、この辺のスタンスが異なるようだ。アメリカは基本、年齢差別はいけないとされるので、公に年齢を区切ることはないと思われるが、ビザの発給を拒否される要因のひとつにはなり得るようだ。
基本、このビザから他に切り替えることはできない。しようとした瞬間、このビザは失効するようになってしまったのだ。そうやって利用しようとしていた企業やインターンがあまりにもたくさんいたからね、ま、そうした背景はとても理解できる。困りまくっちゃうけれど、自分もまあ今までが緩かったね、と思うくらいだ。
このビザは自分で取れるわけではないので、斡旋しているエージェントさんに登録をするところがスタート。検索で「アメリカ インターンシップ」とやると、このようにダーッと出てくるはずだ。登録をして、履歴書とか希望とかいろいろと診断されて、そして募集が出ている企業とのマッチングがされ、双方に確認後、どちらもぜひ、という状態ならば面接がセットアップされる。
企業も良くこの存在は知っていて、それぞれスタンスは違うものの、小さい規模の会社ほど、採用の門戸は広い傾向にある。このビザだと就職の難易度が急激に低くなる理由は:
ではこのビザのデメリットはというと、インターンとしては
会社側ももちろんリスクフリーではない。
等など…。実体験を思い出しながらだったので、ついつい脂汗をかいてしまった…。国を超えてのスカイプ面接だけで幸せなマッチングを望むのは至難の技なのだ。
今、アメリカでインターンシップをしたいと、エージェントさん経由でお話があると、ほぼ8割が30代女性だと思っていい。最近、少し年齢も下がってきている。そして少~しだけ男子も増えているかもしれない。かなり高い確率で、派遣社員として働いていた方だったり、年齢の割には会社を転々としていたり、ブランクが長かったり、入社から有名企業で一筋です、という履歴書は見たことがない。
でもだからデメリットだということではない。アメリカで生きていくのに必要なのは「雑草力」だ。ストリート・スマートであるということ。履歴書の項目ひとつひとつに、ちゃんとした考えや意味を付加して説明できれば、どんなネガティブもポジティブに変えていけるものだ。
多くのインターンが思っているように、人生をここで「リセット」して、新しい自分に生まれ変わり、新しい人生を歩んでいくためには、決して悪くない選択だと思う。
だから、「覚悟」をす決めることだ。こんな時につまらない給与や待遇なんか期待せず、学ばせてもらえる環境を見つけたら潜り込むことにフォーカスをする。そして働き始めたら、目の前の仕事から何でもいいから出来る限りの学びを得ようと体当たりする。正社員の2倍くらい平気で働く。働きながら外でも人脈作って、家では本を月に何冊も読みこなす。
そんな人には、自然とちゃんとビザの道が開けてくるものだ。宇宙はちゃんと「本気」の信号を受けて叶えてくれるから。
ちなみに私のいた会社の場合、18ヶ月だけのトレーニング、というよりも、やはりその先につながる人材を優先して採用していた。つまり、「アメリカに残りたい!」という意志をしっかりと持って応募してくる人たちだ。
彼らの働き方は、やはり本気度が上だし、細かなところで弱音をはいたりすることも、基本、少ない。就労ビザに変える手続きに踏み切るまでの、長い実地面接をしているようなもの、と思えばいい。互いに、試してみて、それから本番手続きに入った方がリスクも少なくはなる。それでもゼロではなかったけれど(笑)。