ロサンゼルスのサラリーマンも、やっぱり冬の嵐の中を車通勤する月曜の朝

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気温がぐっと下がって、何か来るぞ~と気圧の変化すら感じて起きた月曜の朝。

6時になったら、突然のごとく豪雨と閃光と雷がやってきました。

そんなことは数ヶ月に一度、あるかないか、いや、きっとないな、というほどにないので、ロサンゼルスでは皆が驚いてしまうわけです。

その稲妻があまりにも近くて光が強烈なので、つい、いつもは見もしない朝のニュース番組をつけてみました。

すると、途端に出てくる「Winter Storm(冬の嵐)」の文字。

大きな嵐が厚い雲と共に太平洋から南カリフォルニア一体に覆いかぶさってくる様子が天気図で映しだされています。

その速度もすごいけれど、覆っているエリアの巨大さもすごいです。

どうやら数時間すると通り過ぎるものではあるようです。

でも、ピークは今から2~3時間。

つまり、月曜の朝6時から9時までの、もろ通勤ラッシュ帯なんですね。

早出の人も多いロサンゼルス。何しろ、早朝出勤はいいけど、残業は嫌、というお国柄。

早く出る人は6時台から出ています。

そして、めったに雨など降らないので、水はけとか考えられて設計していない道路には、水があふれまくっています。

車以外ではほぼどこにも行けない都市なので、道路が冠水したらアウト。

風も一時期すごかったらしく、大きな道路の真ん中の木が倒れて、早朝なのに渋滞が起こっています。

LAX(ロサンゼルス空港)も停電で、一時機能停止。フライトは様子を見合わせ中とか。結構なパニック状態ではありませんか。

そのくらいの集中豪雨だった感じですね。

テレビでは、「どうしても行かなくてはいけない人は早く出たほうがいい。でも、そうでないなら家でじっとおとなしく雨が過ぎるのを待っていよう」と呼びかけていました。

ふうん、どのくらいこの街ではそんなことが可能なんだろうなあ、と思いながら見ていましたが、雨は急速に静まってきて、7時半には家の周りはしとしと雨になっていました。

となったら、きっと、会社には行くのでしょうね、普通は。

(危ないから学校は来なくていい、とか、小中高校レベルでは連絡がありそうです。)

その後は全国放送の時間になってロサンゼルス情報もあまり出てこなくなったので消してしまいましたが、おそらくは、今回のことで欠勤とか、在宅勤務しまーすとか、そういうことはあまりなかったのではないかと想像します。

さっぱりとした冬の嵐。もっと引っ張って大騒ぎになれよ、と思った方もいるのではないかと想像したりして。

ロサンゼルスにも、ちゃんと通勤ラッシュはあります。それもかなりものすごいのが。

ダウンタウンとかに向けて、北から南から一斉に車が集まってきます。UCLAやUSCなどの大きな学校があるのも、似たようなエリアなので、同じ道がやはり同じ方向で同じ時間、混雑します。

帰りはその反対の現象が起こります。

ハワイでもそうですね。

皆が同じ行動を同じ時間に取るから、普段は15分で行きそうなところに1時間もかかったり。

ロサンゼルスの場合は距離が長いので、たいへんです。

渋滞で毎日何時間も時間をつぶされるなんて、だいじな人生の無駄。電車ならまだ本を呼んだり、集中して考え事もできるけれど、車の運転をしている間は、どうしようもありません。

オーディオブックやセミナーテープなどを聞くのも、集中力に限界がありますしね。

だから、「自由」を求めて起業する、ということは、当たり前に彼らの夢になっていきます。

似たような小さな場所でちょこちょこと小銭稼ぎを競うネズミのレース(Rat Race)から抜けだして、早く時間と場所と経済的な自由を手に入れたくて、自らのビジネスを起こそうと努力するわけです。

人に使われることを良しとしないカルチャーもあります。

Be your own boss(自分が自分のボスになるのだ)というのも、彼らが夢見る「自由」のひとつですね。

ちなみに、そのBe your own bossは、韓国系の移民さんたちも強く持った思想だと思います。だから、皆が似たような焼肉屋をやったり、フランチャイズ系のビジネスをやったりします。

事業でリースして経費で落とすから、車も皆がベンツに乗っています。昼間からゴルフやサウナに行ったり、高いスポーツクラブの会員になったりして、それらもすべて経費で節税に使います。

わかりやすい成功者の姿に憧れ、実現するのも彼らかな、という印象です。就職、というよりも、「商売」をする感覚ですよね。

日本人は、どこへ言っても「雇われる」選択が、まず先に来るようですよね。そこが、国民性の違い、文化の違い、考え方の違い。

そういえば、アメリカ人は、住む場所をころころと平気で変えたりもします。

働く場所に近いところで住む。より魅力的な仕事がある場所に引っ越しちゃう。それも州を越え、都市を越え。

そういうことを、割りと平気でやるような感覚です。

同じ州にじっとしていない。

日本だと、東京か、田舎か、みたいな二極的選択しかないような言われ方をしたりするのですが、アメリカは各州にそれなりの都市部があるから、動き易いのでしょうか。

ハワイだったら1億円以上しそうな家が、テキサスの田舎の方だと2000万円くらいで市場に出ていたりして、そういう格差もすごいので、住む場所の選択も、ライフスタイルに合わせて自由に考えられるというのがあるのでしょうか。

その辺はよくわかりませんが、自分がハワイからロサンゼルスへ来るのに抵抗がなかったのも、そういう姿を長年見てきたから、というのがあるのかもしれません。

月曜の朝から、あんな風に雷付きの豪雨に見舞われたら、一瞬で会社など行く気が失せるなあ。

29年間、会社員(雇われ社長含めて)やったけど、今日はとりあえずどこにも行かなくてもいい日で、ランニングができない分、長めに朝風呂でも入って、昨日の続きの読書でもして、ぼちぼち仕事するかあ、とか自分で勝手に決められる今。

まったくもって贅沢はできないけれども、その程度のありがたい自由はあるのかもしれません。

いや、まだまだすべては始まったばかりなので、本来はもっとがむしゃらにガツガツやっていないといけないのですがね(苦笑)。