時間は買える。生み出せる。

すべての人に同じ条件で与えられているものは、時間。なのに、生み出す成果や影響力は、人それぞれ、まったく異なります。

「時間は金じゃ買えないからね」とよく言ったりしますが、あれ、そうなんだっけ?と、疑問に思うことがあります。

お金とは便利なもので、上手に使えば、ちゃんと時間を買うことだってできます。あるいは、お金を使わなくても、時間を「生み出す」ことも可能です。

時間がないことを言い訳にしないためにも、時間は意外と作れるものだよ、ということを念頭に置いて、意識的に暮らすと良いように思います。

時間を「買う」方法は、実はいろいろある

お金で時間を買う、というテーマで自分がいつも思い出すのは、日本にもある「洗濯代行サービス」。アメリカだと、Wash & Fold(洗って畳む)などと呼んでいるお店が多いですが、規定の袋に入れて、そのサイズごとに料金が定められているものや、重さで料金を決めるものなど、いろいろです。

宅配方式もあれば、ドロップオフもあり。なかなか自分で洗濯している暇のない方や、「その時間を節約したい方」が利用するサービスですね。

とくにコインランドリーを利用しなくてはいけない立場の人は、洗濯にかなりの時間を取られます。月~金で働いている人は週末に集中するので、マシンの取り合いもあったりで、ポンっとドロップオフして終わりにできるなら、大いに時間の節約になりますね。

幼児の子育てにナニー(乳母)をつけて、その時間、自分はオフィスに行ったり、仕事をしたり、エクササイズをしたりする親はアメリカにはたくさんいます。値段は高いけれど、乳幼児から預ける託児所もあります。そういう場所を利用するのも、お金で自分の時間を買っている例です。

その他にも、ちょっと家賃が高くても会社の近くに住むことを選ぶとか、電車ではなくタクシー移動を選んで、車内で疲れを癒やしたり、スマホや電話で仕事を済ませてしまったりというのも、時間を買っている例。

ビバリーヒルズの自然食品で遭遇したプロの買い物士

ビバリーヒルズの近くに引っ越してきてからは、ホールフーズ(自然食品スーパー)で、スマホのリストに沿いながら、明らかに誰かのために買い物をしている学生らしき姿を見るようになりました。

その一人が店員に何かの陳列場所を訪ねた時に、「I am a shopper …(私、ショッパーなんだけど)」と口にするのを聞いて、ああ、誰かから送られてきたリストを見ながら、買い物しているプロなんだなと分かりました。

どんなに近い店でも、やはり車を出し、駐車場を探して停め、広い店内をグルグル回って、ひと通り買い物すれば、往復時間を含めて30分は簡単にかかります。2箇所、3箇所と行かねばならない時は、どうしても1時間コース。

その時間と労力を惜しんで、プロに頼む、というのは、とても良くわかります。

他にも家の掃除や料理をしてくれる家政婦さんを雇うとか、子どもの送り迎えをしてくれるドライバーを雇うとか、何に時間を取られていて、何を「人が変わってやれるか」を考えれば、まだまだ時間を買う方法は見つかりそうです。

どうしても「怠けている」とか「無駄遣い」とか思われがちなことではありますが、人生の優先順位が違う人から何を言われようと、別に気にしなくても良いでしょう。

時間を作り出すために何かを「やめる」

時間を作り出す、ということに関して言うと、今までとやり方を変えて、「何かをしない」選択をすることによって、可能になります。

  • 例えば、毎週やっていたミーティングを2週に一度にするとか。
  • 相手のオフィスに行って、対面で行っていた会議を、スカイプでやるようにして移動時間を削減するとか。
  • 買い物はまとめ買いを基本にして、週に1度か2度まで、と制限をするとか。
  • ある程度、まとめて料理をしてしまって、それを冷凍しておいて、小出しにして温めて食べるとか。

同じ作業をするのなら、まとめてしてしまう方が、準備時間や片付け時間が一度で済むので、トータルの所要時間は減るんですよね。

何をしたらいいか、というプラスの方向から考えるのではなく、今、無意識に習慣的にやってしまっていることの内、何を止められるか、という引き算方式で考えると、意外にたくさんあるものです。

ぜひ生活のあらゆる場面を想定し、これからは日々、「あ、これ止められる」「あ、これは一度にやった方が楽」というように、創意工夫をしてみると良いと思います。

時間がもっとほしい、と言いながら、無意識にフェイスブックをダラダラ見る、などもってのほかですよね(笑)。TVをダラダラと無目的に見たりせず、録画したものを、不要な場所を早回ししながら見るなどすれば、1時間番組も半分の時間で見終えることが可能だったりします。

そういう小さなことの積み重ねが、何一、何週間、何ヶ月もの単位で見返した時には、大きな時間の差になってくるのです。

僕は落ち着いて見えるようですが、実はせっかちで、時間貧乏症で、どうしても無駄な時間というものが許せない性質です。だから、このムダをこう削って、とか、生産性の向上にはこれまでも努力を重ねてきました。

時には回り道をしたり、のんびりと思考を休めたりするのも大事です。それが、かえって後々で大きな成果を産んでくれたりするのも良く分かっているので、今はちゃんとできるようになりました。

でも、すべてにおいて「時間の投資効果」を 計算してしまうがために、ロサンゼルスに住んでいるのに、渋滞時間が本当にもったいなくて、なかなかあちこちを開拓しきれずにいたりします(笑)。

早いところ、洗濯や買い物を人に頼めるようにならないと。