外から見るから良く見える。自虐はいいけど人には言われたくない心理

3年と少し前にロサンゼルスに来た時に、あまりにも周囲のことが分からないので、まずは生活者の生の声を日々、取り入れていこうと思ってブログランキングから、人気ブログを見つけて購読し始めました。中でもバンクーバーの経営者であるヒロさんが書く「外から見る日本」というブログが大好きで毎日楽しみにしています。

毎日、欠かさずにこんな長くて、こんなに整理されていて、こんなにスタンスがはっきりしていて、こんなに情報量もたっぷりなブログ記事を書き続けられるって、とんでもないことだと思うのですが、マネタイズも関係なく続けていらっしゃいます。最近はBLOGOSという提言サイトにも登録され、ますますたくさんの目に触れていることと思います。

最近の記事で、「なぜそれでもブログを書くのか」というエントリーがありました。すでに2300記事もアップされているそうで、一年365日として6年以上。すご過ぎ…。

この記事の「それでも」というのは、BLOGOSというサイトへの転載で日本の方々がよりたくさん読まれるようになって、批判を浴びることも多くなったことに由来しているのだろうなと想像しています。幼稚な言葉や論旨、揚げ足取りがコメント内に多々見受けられるサイトで本当に残念なのですが、ヒロさんの一個人的意見にも、時にネガティブ・コメントが寄せられる時がありました。

多く見受けられるのは「あなたは海外にいて実情を知らない」とか、「離れたところで好き勝手に言うのは楽」みたいな、俺達の置かれている本当の状況を知らないで何言ってるんだ、という論調です。あるいは、「あなたの言うここの部分がこう間違っている」と細かくディテールを突いて、全体の根底に流れる重要なメッセージを無視する意見も多め。

で、どうなの?といつも思うのですね。またこんなことで無駄な時間使っちゃって…と脱力してしまいます。

別に海外に出たから偉いわけでもなんでもないし、ヒロさんもそんな論調で言っているわけでもなくて、ただ外から見た方が客観的に他の国のことと比較して見やすかったりするのは事実で、アメリカやカナダを礼賛しているわけでもなく、こっちの良い所と、そっちやあっち(どこでも良い)の良い所とを総合して世界全体を最適化できたら一番素晴らしいわけで。

それは一個人の意見ですから、100%自分も納得したり、合意したりすることばかりではありませんが、それはそれ。いろんな意見が世の中にあってもいいし、人によって、情報量はばらつきがあるわけだから、トピックスごとにブレがあって当然です。

今回のエントリのように、正解はひとつということに固執するのは良くないと書くと、いや、そのメリットもあると反論が書かれたり。それで苦しんでるのは日本の社会、だからこう考えるといいんじゃないかと単にアドバイスしているだけ、そう受け取ればいいのになあ、とツッコミ入れたくなるのですけれど。

しかし、ヒロさんは実に辛抱強くて、いつも丁寧に、落ち着いて、コメントにお答えしています。さすが気合いの入った経営者さん。人間のできが違うなあと自分を思わず反省します…。