人それぞれに違う理解があるアメリカ、チップのルール

アメリカに約21年も住んでいるのですが、相変わらずチップについては公にルールというものが存在せず、解釈が難しい時があります。

レストランでお勘定の際にチップを置くのは当たり前のことなのですが、ビュッフェ式のレストランで、前会計だったりする場合、食べ終えた後、テーブルに紙幣を置いている人と、置いていない人がいます。

お片づけはしてくれるので置いても良いのでしょうが、それは何だか当たり前にやるべきことのようにも思われ、しかも自分が帰った後の話なので、チップという概念が当てはまるのかどうかわからなくなるのですね。チップと無縁なファーストフードとどう違うの、というところです。

先日、ケーブルTVが故障してメンテナンスの人が来てくれました。4−50分、本部と連絡取りながらいろいろやって、結果直ったのですが、帰り支度を始めたところで、「あ、チップ…」と思い出して、でもいくらにしていいか分からなくて、ちょうど1ドルも5ドルもなかったので、手持ちの10ドル札をさしあげました。

受け取らないかなあ…と思ったのですが、あっけなく受け取ってくれました(笑)。ちょっと驚いた風だったので、なくても良かったのかな?と思って、慌てて後でネットで調べたら、やっぱりあげた方がいいと書いてあってホッとしました。 無料のサービスの場合、金額がわからないですよねえ、でも。

タクシーの運転手さんに15~20%のチップを渡すのは普通ですが、では空港からレンタカー会社に行く時に乗るシャトルサービスの運転手さんにあげるべきかと見ていると、やはり渡す人とそうでない人と分かれます。

運転手さんが「Oh, thank you, Sir」とか言うので、すぐに分かります。でも、いくら渡しているかは見えませんし、それが当然のことなのか、珍しいことなのかも察知できません。でも、受け取るということはあげてもいいということではありますね。

ホテルのベルボーイに荷物を部屋まで持ってきてもらったら、きっと誰でもチップを渡さないとと思うはずです。

ただ、日本では当たり前のルールのように言われる、部屋のメイドさん用のチップについては、アメリカ人の中でも対処は様々なようです。

そんなの聞いたことがないという人もいれば、毎晩ちゃんとあげるべきだという人と2通り。

社会の通念として、きっちりしてくれないと、日本人のように決まりにフォローしておきたい人は対処に困りますよね(笑)。

まあしかし、簡単に言えば、迷ったら、さしあげればいいのです。

そこで「損をした」などと思うのは、そこまでの人間だ~と割り切る。渡せば相手は必ず喜んでくれるわけですから損ということはありえないのです。チップという習慣がこの社会にはあるわけだから、お年玉のように、見返りを期待せず無償の愛と共に差し上げればいい。

「サービス良くなかったらあげなくてもいいんでしょ」と日本の方から聞かれますが、そこまでひどいサービスだったら直接文句を言うか、マネージャーにクレームつけるなどして、店全体の落ち度を問うべきかなと思います。罰則のようにチップを増減することで抗議とするのは、ちょっと姑息? 小さい?とか思ってしまいます。単にチップの計算が間違ってるって思われたくないし(苦笑)。

自分が一緒に店に行くアメリカ人が温厚な人ばかりなのか、あまり評価システムとしてチップを考えている人を見たことがありません。サービスがとても良かったらチップを多くするのは何度も目にしますが、逆は本当にないなあ。

さて、チップの習慣に正解は果たしてあるのでしょうか? 旅行系口コミサイトのTrip Advisorでは、「United States: Tipping & Etiquette」として、チップのエチケットという記事を掲載しています。

確かに上記のようなケースは、人によって解釈が様々なようですが、やはりあげるに越したことはないと提言しています。

ちなみに、それぞれの場合で上げるべきチップの額は、下記のようになっていました。え、そんなに!?って驚くケースもありますが、実用は個々の判断で、ということで。

■ホテルのハウスキーピング: 一晩2-3ドル~5ドルまで。部屋の代金による。

■バレーパーキング: 2~5ドル(以前は1ドルだったのですが、だんだんと上がってきてますね、何だか。車の車種や、停めた場所の格で料金を考えれば良いと思います。ハワイならば、普通はどこでも2ドルくらいで大丈夫かと。)

■マッサージ: 10~20%

■美容師・理容師: 10~20% ⇒ この2つ、いずれも10%はないような気がします。15~20%が一般的ではないでしょうか。

■バーテンダー: 一杯に付き1ドルまたは全体の額の15~20%。

しかしまあ、これまでの経験・観察から言うと、お勘定の際にそこまできっちりとした数字を計算しているのを見るのは稀。ざっくり「余計目に」計算して渡すのが社会の中ではスマートとされているように感じます。

皆、ケチに見られたくはないですし、何よりも、相手のサービスを尊重し、感謝していることを形で表したいからなんだと思います。

同行者さんたちに、そういう例をたくさん見せていただいたせいか、僕もだいたいレストランでは20%のチップを上げるようにしています。計算が楽だから、というのが、メインの理由かもしれませんが(笑)。

変に大盤振る舞いする必要はありませんが、日本の皆さんもお賽銭のつもりで、あるいは税金みたいなつもりで、大らかにチップの習慣に取り組んでみてはいかがでしょうか? 円安の折、辛いかもしれないですけど、その方が豊かな気持ちになれるものですし、旅行もはるかに楽しく感じることと思います。