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会社が辞められない? 日本にあるあるな理不尽にきっぱりと背を向けて自由に生きよう

elephantinchain

会社が辞められない病は誰の責任か?

日本の20代男性クライアントさんと話していて、イラッとしてしまったお話です(苦笑)。

とある中小のブラック系の会社にお勤めで、やりたいこととは全然違う職務を「勉強」と自分に言い訳しつつ続けてきて。

もう気持ちではとっくに終わっているのに、なかなか思い切りが悪く辞められずにいます。

「8月が決算期だから、それまでは…」とか。

「新卒社員の教育係を任命されているから途中で辞めたら責任が果たせない…」とか。

そんなの、あなたみたいな平社員が気にすることじゃないから!と、だんだんと声のボリュームも上がっていってしまいました。本当に、どこまで会社に飼いならされたら気が済むのでしょう。

その背後には、もちろん次に移る自信がなくて、という潜在的な理由もあります。

でも、それにしても、今の会社は、「早く逃げ出さないと身体壊すよ」という、過酷な職場なのです。

仕事の性質上もあってGWは働き通し。仕事ができると評価され、次々に新しい責務が乗っかってきて、毎日11時過ぎ。時にタクシー帰宅。

なのに、20万円代半ばのお給料。インセンティブもなし。代休取れず。有給取れず。昇給だって、年に一度、2万円かそこらあれば良い方。

なのに、それらに「NO!」というどころか、辞めるのに3ヶ月はあげないと、と、上記のような気の使い方すらするのです。

おいおい、と。いい加減、目を覚まそうよ~と、平手打ちでもしてあげたい気分です。

挙句の果てには、「僕の先輩は、『まだ早い、1年くらい待て』と言われて、退社まで1年かかったんですよ」と怯える始末。

なぜ、そんなバカな話に従うの? あなた方は、その会社の奴隷なの?

私の頭に???やら!!!やらが飛び交います。そして、いろんな言葉が浮かんでは消えていきます。

ストックホルム症候群サーカスの象、ガラス瓶のノミ、学習性無力感

SM◯Pの記者会見も思い出されます。

辞めさせない会社も会社ですが、彼らには決して悪気がない様子です。

代わりを見つけて育てるのにも時間がかかりますしね。すべてを会社都合で考えて、それが普通でしょ、と思っているだけなのでしょう。

逆に、それに従って出勤し続けちゃう社員こそ、どうかしてるとしか思えません。まるで自分が異次元の世界に迷い込んだかのような錯覚に陥ってしまうのです。

「昨日付で辞めました」と言われた社長一年目の洗礼

私が最初に働いた日本の小さな会社は、皆、普通に2週間位のリードタイムを置いて、すっと辞めていきました。

次の会社でも似たような状況でしたが、辞める時は3ヶ月くらい時間ちょうだいって言われました。ちょうど移住前の準備期ですぐには渡米できなかったので、ちょうど良かったのですが、仕事がすぐになくなって手持ち無沙汰なのが困りました。新しい仕事や責任は一切なくなっていくし、本人もやる気ゼロだし。会社にとっては、大いなる無駄なんじゃないかなあ、と思っていました。

ハワイで働いた最初の会社では、即日解雇(記録的には自分が退社したことにされていますが)扱いされまして、非競合契約を盾に次の就職への移行も執拗にじゃまされ、なかなかドライなアメリカンスタイルなマネージメントの洗礼を受けました。

そして、晴れて移った会社で今度は社長になってしまいまして、辞めていく社員と向き合う立場になりました。

その責務を負って間もない頃。アメリカ人の女子営業社員に対して、3ヶ月の試用期間を終えたタイミングで面談をした際に、フィードバックした改善点が気に入らなかったらしくて、超逆ギレされました。金曜だったのですが、月曜の朝オフィスに彼女からのレターと就業規則の入った封筒が届きました。

そこには、「◯月◯日付で退職しました」と過去形で書かれていて、それは前日の日曜の日付でした。おお、すでにこの子は昨日、辞めてしまっているのね…。

週末をからめたからですが、それにしても、昨日付で辞めます、と、引き継ぎもゼロの状態で突然去られると、さすがに驚きますね。いくらなんでもありのハワイとは言っても。

その後も、2週間ノーティス、という通例通りに、ビシっと2週間(実働日10日)で退職届を出されること数十回。1週間もないままに辞められたことも数回。

この国では、皆、本当に会社を簡単に、短期間ですいすいと辞めていくなあと思います。周囲を見回しても、皆、そんな感じです。

そのうち、辞めたい、と思い始めた社員を無理に引き止めて、一瞬つないでも、周囲に悪影響を及ぼすことがあることもわかりました。そして、一度、辞めようとした社員は、結果として、必ずやはり辞めることになりました。

だから、給与は2週間分、あげるから、さくっと引き継ぎを数日でして、後はもうオフィスには来なくていいよという風にするのが、最後の方のやり方となりました。

冷たい、と思われるかもしれませんが、それがすべての人のためかなあと今も思っています。

引き継ぎって、実はとっても簡単で、すぐに終わっちゃうんですよね。

ご挨拶回りみたいな無駄なことに給料払うのは馬鹿げているし、早いところ、新しい体制に移れた方がいいのです。そのためには、今の人がいると難しいんですね。目の前にいてくれないほうが、はるかに楽に移行ができる。

だから、辞めたい、って言ってる社員を、そんなに長く引きとめようとする会社が私には信じられません。

2週間ノーティスが通例。でも当日退社も問題はない「自由意志」のアメリカ

アメリカでは、2週間前に退社を文書などで宣言すれば良い、というのが通例です。ほとんどの会社の就業規則にも、そう書かれていたりするので、皆、それが法律かと思っているところもあるようですが、就業規則に法的拘束力はないので、あくまでも「会社からのお願い」にしか過ぎないのです。

会社だって、即日解雇、ということをします。だから、従業員だって、即日退社してもいいのです。

Employment at willと言って、互いに自由意志のもとに、ここで雇用関係を結びましょう、というのがアメリカの雇用であって、これは「契約」とは違うという考え方です。

日本は、労働契約、という言葉をどうやら使うようです。

セッション中に、いったい日本で何が起こってるんだ~とGoogleサーチしたら、「東京はたらくネット」という東京都のウェブサイトに、労働問題相談室というコーナーがありまして、「会社が辞めさせてくれない」という相談に対して、丁寧に答えているのが見つかりました。少し引用します。赤字は強調のための私の装飾です。

Q47 辞めさせてくれない

退職したいと思い、上司に相談しましたが、「忙しい時期だから、だめだ。」と言われてしまいました。

これが原則

  1. 退職の申出は、労働者側から労働契約を解約する旨の意思表示であり、会社の承認までは必要ない。
  2. 退職には一定のルールがあり、それに従った手続をとる。

円満に退職するには、後任の手配や仕事の引継ぎなどの会社側の都合を考慮し、次のルールに従って、事前に人事権のある上司に申し出ることが必要です。

  1. 就業規則のある場合は、その規定に従って、退職届を提出します。
  2. 就業規則のない場合で、契約期間の定めがない場合には、労働者は14日前に退職を申し出ることによって、いつでも契約を解除できます(民法第627条)。
  3. 就業規則が14日を超える予告期間を求めている場合は、民法の規定が優先すると考えられています。ただし、就業規則を無視して退職を強行すればトラブルになる可能性が高くなりますので、事前に会社とよく話し合う必要があるといえるでしょう。

有期雇用など、あらかじめ雇用期間が契約で決まっている場合があります。この場合、やむを得ない事情がない限り、雇用契約期間中途で解約するためには、労使双方の合意が必要です。

ちなみに、「会社が辞めさせてくれない」とサーチすると、驚くほどの検索結果が出てきて、日本社会が怖くなってくるのですが、まあ上記のように、「会社に何か言われる筋合いのことではない」というのが結論なんですよね。

それにしても、常識に従って考えれば、わかる話ではないのでしょうか。まあ、わからないから、黙って1年も働いちゃうんでしょうね…。

そんな話をアメリカ人のパートナーと話していたら、「辞めさせてくれないって、だって、会社に行かなきゃ済む話じゃないの?」と即答されました。

ねえ、普通、そう考えますよね(笑)。

私も、盛んにクライアントにそう言ったのです。行かなきゃいいじゃん、って。

が、彼の中には選択のひとつとして、それはなかったようで、そのことに逆にゾゾッと驚いてしまったのでした。

鎖につながれてすらいないのに、そこにはまるで太い鉄の鎖があるようです。

縛っている、というよりも、勝手に自ら鎖を持参して、自分で自分を柱に縛り付けているようなイメージ。

予定よりも倍くらいの時間をかけたセッションになりましたが、最後の最後には、意中の会社へ応募してみることに同意した彼。

近々、送られてくる職務経歴書を見せてもらうのが楽しみです。

またその時、ちゃんと念押ししないと、逆戻りしている可能性があるので、要注意(苦笑)。

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