尊敬できる部下と働けることが何よりも幸福だと感じられた

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フリー生活になって最初の仕事は、社長をしていた会社の編集部からいただいた特集記事の編集と執筆でした。今週の月曜にロサンゼルス界隈の各地で配布されているので、機会がある方はぜひお手にとってご覧ください。ウェブでもご覧いただけます。
ご存じない方のために説明すると、海外の主要都市にはたいてい日本語のフリー誌というのが存在しています。日本の外で最も日本人が多いのが実はロサンゼルスで、だから情報誌の数も過去には相当あったようです。現在は10誌くらいでしょうか。中でも、と手前味噌風になりますが、圧倒的な存在感を保っているのが、このライトハウス。今年なんと25周年なんですね。はい。
日本のスポーツ紙や通信社さんと契約して記事を「買う」会社が多い中で、ライトハウスは頑なまでに隅から隅までオリジナルにこだわっています。月に2回、140ページの情報誌を創って発行するのはたいへんなことですが、25年間、一度も遅延もなく、必要としてくださっている方々のお手元に届けられているんですね。
それが初仕事なので、新米フリーランサーとしては実に光栄なことなのです。と言っても、この華やかな表紙にドカンと出ている「3カ月で痩せる! プロのダイエット戦略」というのではありません。下の方にある大御所・仲代達矢さんのインタビューでもありません。真ん中に地味に入っている「親子で“エデュテインメント”」という第二特集の方でございます。
「ライトハウス」誌では、別に第一だから、第二だから、と力の入れ具合や予算のかけ方で区別があるわけでもなく、カラーで見せた方がふさわしいものが第一に来て、表紙にも採用されやすい、というただそれだけのことなので、別に扱いが小さいからと言って、すねたりはしません(笑)。
25年という長い歴史を作り上げてきた歴代のすべての社員に敬意を感じています。そしてまた、自分と時を共にしてくれた皆の熱意と才能と実力には本当に頭が下がります。絶対に手抜かないですからね。もっと楽にやってもいいだろうに、という場面はなくもないのですが、そこはオーナー会長が注ぎ込む情熱の遺伝子が許さないのでしょう。
今、少しだけ離れてみて感じるのは、ああ、そういう尊敬できる仲間たちと働けたことは、何よりの幸せだったなあということです。だからこそ、今なら、自分が抜けても何てことなく世界は回り続けるに違いないと確信できたわけです。
人にまつわることが不器用で、要らない失敗をいくつもしてきちゃった過去があったので、こんな心境にまで辿りつけたことがにわかには信じがたいです。起こった出来事のすべてに感謝しないといけないですね。