歳取って「衰える」というのは、極めた人だけが言っていいセリフである

僕らの頭の中には、どうしても人生80年的なイメージが根強く残っていて、40歳を過ぎると、何となく半分終わって、もうそろそろ終盤みたいな意識を持つ人も出てきます。

しかし、日本人女性の平均寿命は今や87歳。若くして亡くなる方もいらっしゃるので、平均よりも長く生きる方も相当いらっしゃいます。ということは、通常の感覚で言うと、人生90年時代はとっくに来ていると言ってもよく、それどころか、人生100年時代も全然遠くはないはずです。

なのに、いまだに40歳過ぎると、「このところ体力が落ちて…」とか、「若いころと比べて頑張りが効かない」とか、昔聞いた常套文句を、疑わずに口にしてしまう人がいるのには驚きます。まだ人生の半分も終わってないかもしれないのに。

体力が落ちたのは、体力がつくこと(あるいは維持できること)を何もしていないから。頑張りが効かないのではなく、ずる賢くなったり、怠け者になったり、嫌なことをやらなくても済むようになっただけのこと。本当にやらなければならない時は、誰でも必死こいてやります。

僕の周りには、30代後半から40代にかけて有酸素系の運動に目覚めた人たちが多く、皆、20代の頃よりも今の方がはるかに体力があって元気だと口にします。それはウソや見栄ではないのです。鍛えているから衰えなんて感じることもない。それどころか、皆、年々、成長しています。

練習すればするほど基礎体力は蓄積され、練習の質も上げることができて、相乗効果でどんどんレースの成績が上がったりします。遅咲きの市民アスリートは、皆、そんな感じです。

もちろん、オリンピックに出るほどに極めたアスリートやプロたちは違います。彼らはすでに若い頃に質量ともに自己鍛錬を極め、持てる潜在能力のピークに達した人たち。だから、彼らが歳を取って、あの頃と同じようにはできないね、というのは、当然のこと。

しかしそれは、その辺の市民アスリートが言うセリフではないのはもちろん、運動もまったくしていない人が、年齢を言い訳に体力の衰えを口にするのは勘違いだと思うのです。

100歳か、それ以上生きるのが当たり前になろうとする時代に、40歳や50歳で「衰え」を口にしていたら、その後の半分以上もある長い歳月を、どんな風に生きていけるというのでしょう。衰えとは、そういう口ぐせを生む気持ちの老け込みのことを言うのだと僕は信じています。

サプリ飲んだり、美容液つける前に、まずは気持ちから若返ることが大切です。そのためにも、人間としての永遠の成長を心から信じること

新しいことを始める。新しいことを覚える。取り組んでいる何かにおいて、前よりも上達する。そんな何気ないことを積み重ね、「成長感」を味わえた時に、人は若さを感じられるものです。

若さとは可能性。それを自ら否定することが、残念ながら老いにつながっていくのだと思います。

身体の衰えは、それでもやむを得ず訪れます。加齢とともに変化していく身体と折り合いをつけながら、気持ちだけは若々しくあり続けることは可能ですよね。

(冒頭の写真は、ホールフーズの雑誌コーナー。コンシャスライフ、グルテンフリー、マインドなんとかとか、普通の本屋とはまた全然違うラインナップで面白いのです。完全に意識高い系向けに焦点合わさってます。)