「年収は住むところで決まる」のだそう。さて自分の住んでいるところは年収にとって良いのかな

年収は住むところで決まる

読書の時間をきちんと割けずにいる中で、情報だけは入れ続けているので、あ、ほしい、と思うと我慢できなくてついついクリック。アマゾンさんとアフィリエイターさんの思う壺、いえ、おかげです。

その瞬間を逃すと、「欲しくなくなってしまうかも」という不安もあり、「絶対に読むと良いと思う本なのに、存在を忘れてしまうのではないか」という不安もあり、クリック癖は抜けません。そこのところは、いずれちゃんと向き合っていきたいですね。

Wish Listに入れる、というのは、すでにやっていたり、とりあえずカートに入れて時間を置いて再考する、というのもやっていて、そこには買わずに我慢した大量の本がリストとして積み重なっています。ある時、「やっぱ要らないか」「あれ、なんで欲しかったんだっけ?」と気づいて一気に削除。本とのめぐり合わせも、旬というものがあるんです。

海外にいる今は、Kindleが頼り。日本語の読みたい本が読みたい時に瞬時に手元に届くなんて、画期的過ぎます。日本はまだまだKindle化されない本も多いので残念ですが、最近はかなりアグレッシブな価格戦略で、Kindleを推し進めてくれていて嬉しいです。この本も定価2160円がKindleだと1200円。44%オフです。アメリカっぽくなってきましたね。

さて、気になるタイトルのこちらの本。

自己啓発ではなく、都市経済学の本とのこと。「引き寄せ」とか書いてあるのも、極めて論理的な話であって、ビジネスが生態系で発展していく性質を考えるとピンとくる。

まだ全体をパラパラとしか読んでいないんですけど、面白いなと思う事実がいくつか目に飛び込んできました。アメリカ人の半分は5年に一度、引っ越しをする。3割は生まれ育った州から出て住んでいる。その割合は、他国と比べると歴然として高いらしいです。

国の元々のスタートがヨーロッパからの移住、メキシコからの移住だったりしたせいで、国民の遺伝子の中にあるんでしょうかね。確かに皆、いなくなりますよね。街、という単位ではなく、州を越えて住む場所を変える。そこには違う世界が開けていて、違う機会があり、違う文化がある。

イノベーションの担い手は移民で、優秀な移民を受け入れることが国の政策として確立されているわけだから、皆が集まってきますよね。そうすると、ここで言われている「乗数効果」でイノベーションを支える生態系が一気に育つ。

日本がこれからの行く末を考えるにおいて、移民政策は重要なファクターのひとつと思いますが、この本は国策を練る上でも、とても参考になるように思います。じっくり読むのが楽しみです。

【目次より抜粋】
◆第1章 なぜ「ものづくり」だけではだめなのか
高学歴の若者による「都市型製造業」の限界
中国とウォルマートは貧困層の味方?
先進国の製造業は復活しない

◆第2章 イノベーション産業の「乗数効果」
ハイテク関連の雇用には「5倍」の乗数効果がある
新しい雇用、古い雇用、リサイクルされる雇用

◆第3章 給料は学歴より住所で決まる
イノベーション産業は一握りの都市部に集中している
上位都市の高卒者は下位都市の大卒者よりも年収が高い

◆第4章 「引き寄せ」のパワー
頭脳流出が朗報である理由
イノベーションの拠点は簡単に海外移転できない

◆第5章 移住と生活コスト
学歴の低い層ほど地元にとどまる
格差と不動産価格の知られざる関係

◆第6章 「貧困の罠」と地域再生の条件
バイオテクノロジー産業とハリウッドの共通点
シリコンバレーができたのは「偶然」だった

◆第7章 新たなる「人的資本の世紀」
格差の核心は教育にある
大学進学はきわめてハイリターンの投資
イノベーションの担い手は移民?
移民政策の転換か、自国民の教育か
ローカル・グローバル・エコノミーの時代