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緑内障と診断されました。ゆるやかに失明に至る宿命らしいです…

eyes

5−6年前だったか、すでに正確な時期は忘れてしまったのだが、まだコンタクトレンズをしていた頃、新しいのを作るために検眼医を訪ねた時、眼の奥が何だか変だから、専門医で診てもらってと、同じビルの評判の良い人気眼科を紹介された。

そこでも同じように、左目(視力の良い方)の目の奥が変である、神経がPale(青白い)だと言われた。いろんな検査をそこでもしたが、先生はどうも腑に落ちないように見えた。「どんな可能性が考えうるんですか?」と聞くと、「うーん、緑内障の症状に似ているのよね」とポツリ。

はじめ緑内障と白内障の区別すらつかなかった僕は気軽に考えていたが、次の言葉に深刻さを理解し始めた。「緑内障は治ることがなくて、放っておくと失明にいたる重大な病気なの。」ちなみに英語での会話。英語ではGlaucoma(グロゥコーマ)というのだが、もちろん僕が最初からそんな単語を知っているわけもなく(日本語でだって殆ど知らないんだから)、白内障と混乱しつつも、ぎこちない会話の中でやっとアテをつけた程度だ。後でちゃんと調べて推測した通りと分かったのだ。アメリカで病気するとたいへんなのだ。

「普通は糖尿とか高血圧とかで目の圧力が高まって神経を圧迫するから起こるのよ。でも眼圧は極めて正常。他に考えられる原因は…脳腫瘍くらいね。」ってことで、念の為にわざわざMRIまで受けることになるのだが、当時、かなり閉所恐怖症気味だった僕には辛い検査で、そして何も見つけられずに不毛でもあった。保険でカバーされたけど。

この時もっと緑内障のことを自分でも調べてみれば良かったのだが、ドクターもそれ以上、追求しなかったし先日まで忘れていた。が、最近どうも視力が全体的に弱くなってきているのが気になってLAの眼科医に行った。すると、まーた同じことを言われて、あーあと思いながらも何回も何回も検査のために出直したりして相当な時間を使った挙句、先生がどんどん格上げされていって、最後にはクリニックの大先生が出てきてようやくファイナルアンサー。

「君は、おそらく、Low Pressure Glaucomaだね。家で調べてご覧。いくつも情報が出てくると思うから。100%そう、というのは誰にも言えないけれど、念の為に治療を始めよう。」
Low Pressure Glaucoma!? なんだよ、そんな病名がちゃんとあったんじゃん。検索でいくつも情報が出てくるほど一般的なんじゃん。最初からなんでそれ考えないの? 常識的に考えれば素人でもそれに決まってるって分かるだろうに~とか悪態つきたくなったが、大人なので抑える。 とにかく名前のないものに名前がつくだけで、人は少し安心したりするものだ。

オフィスに戻って落ち着いてランチを食べつつ、まず英語で調べる。ごく稀にそういうケースがあるということは分かった。しかし衝撃を受けたのは、日本語で調べた時だ。
「低 圧力 緑内障」と入れたら、英語よりもはるかにたくさん情報が並んだ。目立ったのは「正常眼圧緑内障」という言葉で、それを見た瞬間、「あー!これだ!」とすぐに状況を理解してしまった。はい、僕はこれです。正常眼圧緑内障です。やったーパズルの最後のピースがそろったような爽快な気分。(病気としてはたいへんなことなんだけど、リサーチ活動が正しい方向性に導かれて、仮説が証明されていく行程は推理小説にも似て、楽しいよね。)

日本語のサイトによると、それは「日本人」に多いものなのだそうだ。東洋人、アジア人、ということではなくて、なぜか日本人、らしい。日系人の多いハワイの眼科医だったら、そのことを知っていても良さそうではないか。再びまたムッとする。

緑内症とは、何らかの原因で目の圧力が高まって(あるいは高まらなくても)眼球の奥の視神経が傷ついて視力を失っていく病気だ。視神経は突然ブチッと切れてなくなったりはせず、徐々に弱まっていくらしい。傷がついてるのは、瞳孔を開いて検視機で覗いてみればすぐに分かるようだ。そして、どこの神経がどう傷ついているのかの正確な場所は「視野検査」をすると分かる。
顔面を固定して、視線はまっすぐに向ける。無数の光が次から次へといろんな場所に現れるので、見えた瞬間に手に持ったスイッチをパチパチと押していく。正常な方の(でも超乱視で視力は0.1もない…嗚呼)右目は視野が完璧。どの角度にどう光が現れてもちゃんと認知。だけど左目は、左下のエリアがもうほとんど光を感知していない状態。目を真っ直ぐにしたままだと、僕は左下から何かされてもわからないってことらしい。

以前に受けたテストよりも明らかに「進行している」のが自分でも分かるほど、くっきりとした結果が現れた。もともとそういう傾向がある眼だったのかもしれないが、年齢によって発症していくもののようでもある。

これって怖くないですか? しかも僕の場合は、反対の目では字が読めないほど乱視が強い(だから中学の頃からコンタクトをしていた)。こちらは光は正常に感知できるのに。逆だったら良かったね…。

治すための療法はなくて、「正常眼圧」であっても、眼圧をさらに下げて、これ以上視神経を圧迫しないようにするのが精一杯なんだそうだ。一日一回、目薬をさすだけで良いのだけれど、それは一生続く治療。一生付き合っていく病気なんだな、君は。

そう言いつつ、僕はまたパソコンの画面を一日15時間以上見つめ、それ以外の時間はiPadやiPhoneやTV画面を見つめ、常に目を酷使している。ごめんなさい。これからはもっといたわりますから、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。ずっと仲良くしていこうね…。

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