マクロビオティックの小豆かぼちゃを煮る。ほこほこと栗のような自然の甘さに滋味を感じる

あずきかぼちゃ

ホールフーズで量り売りしてきたオーガニックの小豆で、マクロビオティックのお汁粉を作ろうと思い立った。知人からお土産にいただいた「とらや」のレトルトお汁粉が美味しくて、本来の小豆好きがまた芽生えてしまった。

子供の頃からあんこの和菓子や赤飯がなぜか好きで仕方がなかったが、そんなものを自分が作れるなどと想像したこともないまま40数年間、生きてきた。

ハワイにいた頃は、普通のスーパーでも小豆を似たものが缶詰で売っていた。しかし、それは残念過ぎるほどに甘い。歯にしみるほど、遠慮なく砂糖が入っている。

しかしお汁粉など、実は簡単に作れてしまうものだと、マクロビオティックを独学した時に理解した。料理は基礎だけ分かってしまうと、あとはそれほど難しいものではないんだな、と今は心のハードルが低くなっている。もちろんプロの料理人は別世界。だけど自分は自分や親しい人だけのために作るわけだから、細かなことを気にする必要もない。

小豆には実際、たくさんの栄養素が詰まっていて、乳酸が筋肉内に溜まるのを防いだり、解毒作用や、むくみを解消する作用があるという。食物繊維も豊富らしい。

本によって水に浸す、浸さない、といろいろあるが、マクロビオティックの世界では「浸さない」が主流。通常のレシピでは、3回煮こぼせと書いてあるが、マクロビオティックでは全体一物だし、栄養素がたっぷり含まれて煮汁をにこぼすようなことはしない。アクも含めて、宇宙なのだから。(というのは僕なりの解釈)

今回は甘みにかぼちゃを使って、体質改善に良いとされる小豆かぼちゃ風のデザートにしてみた。砂糖は一切使わない。そもそも家には砂糖などない。アガベネクターを入れて、ほんのり漂う程度の甘みにし、あとはかぼちゃにおまかせだ。

<作り方>

小豆はホールフーズで量り売りで買ったオーガニックもの。アメリカ人の皆さんはこれをどうするんだろう? 韓国スーパーにも良く売っているけれど、どうせだったら有機モノを選んでおこう。

3倍の量の水を入れて、ことことと煮る。煮立ってきたら弱火にしてフタをする。マメが堅いうちはコトコト音がするけど、その内、静かになって、ほんのり良い香りがしてくる。30分くらい放っておいた。

小豆が水を吸ってグングン大きくなっている。ここで差し水をして再び煮始める。温度が一瞬、下がることで、豆の表面だけが先に煮えてしまうのを防ぐ意味合いもあるのだそう。15分経って、また同じように水がなくなってきたので、さらに差し水をし、再び15分煮る。

その間に、甘みのもとになるかぼちゃを用意。Nijiyaで買った良質のものを小さく刻む。もちろん皮も一緒。てんさい糖などでも良いようだが、家にある甘味はアガベネクターだけなので、今回はそれで代用。

ここまで来れば、指でそっと押すだけで豆はつぶれるくらいになっているが、食べるとまだ少しだけ粉っぽさが残る。ここで、甘みを入れていく。

かき混ぜるとまだ少し水分は残っている状態。小さく刻んだかぼちゃを上に乗せて蒸煮にし、アガベネクターを大さじ一杯くらい、とりあえず入れてみる。足りなければ後で足せばいいし、上からシロップのようにかけても美味しいので控えめに。またここで15分ほど弱火で。

お好みでヘラで潰したりして、かぼちゃと小豆を混ぜてもいいし、全然別のままでも大丈夫。今回はデザートとして作りたかったので、結構混ぜて盛ってから、ほんの少しアガベネクターをまわしかけてみた。

はい、できあがり。お味は…激ウマ(笑)。なんて言うんだろう、小豆には滋味のようなものがあって、身体にとても良いものをいただいている気持ちになれる。かぼちゃも同様。こうやって食べると、かぼちゃはまさに「栗」の味と食感だ。簡単に扱えるし、すぐに柔らかくなるし、常備しても長持ちするし、意外と多彩な料理に活躍する秀逸な存在だ。自分は味噌汁に入れたり、ブロッコリーや人参と一緒に蒸して、そのままいただくことが多い。