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ハリウッドも高齢化。それでも明るく若々しく、いつまでも現役で「歳を取るのも悪くない」と訴えかける

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今年後半は、かなり意識して小説や映画、テレビドラマなど、意識して多種多様のフィクションをシャワーのように大量に浴びて、どっぷりと浸る体験をしてみています。

この15年ほど、ずっと「目の前」のことを追うのに忙しくし過ぎて、本を読むならビジネス書や自己啓発書だったり、「すぐに役立つ」何かを求めてばかりいたようです。映画はしょっちゅう息抜きに見ていましたが、気がつけば、小説を読むなんてことをした覚えもなかったな、と。

せっかくなので、直球ど真ん中の好みから少し外したりしながら、今までなら見なかったかもしれないタイプの映画や、今までなら読むこともなかっただろう小説も、同時に、どきどきするくらいに生々しいドキュメンタリーも、あちこち手を伸ばしている次第。

そして、たまたま、いくつか続けて観た映画が、なんとも共通する要素が重なっていて、これもまた面白いなあと思ったので、ご紹介します。

アメリカでも第二次世界大戦後に生まれた、いわゆるベビーブーマー世代というのが、こぞって70代に突入しようとしています。気が付くと、数十年前にばりばり主役をはっていた方々も、ネームバリューも、作品数も、勢いも、別に衰えるでもなく、ただ役どころだけが年老いて年齢相応になって、相変わらず活躍していたりします。

映画好きな観客も、その世代が多いのは間違いなく、こういうテーマのものが今後もますます増えていきそうな予感です。

日本ではまだやっている最新作の「マイ・インターン」なども、アラセブのロバート・デ・ニーロが主役で、頑張っていますね。

20代~30代前半を対象にしたような映画よりも、かえってアラウンド70代=アラセブ世代の話の方が身近に思えてしまう今日この頃……(汗)。

これから、自分にめぐってくる運命を先取りして見せてくれているようでもあり、社会の変化を切り取ってスナップショットで教えてくれているようでもあり、映画の芸術的評価とは別なところで、興味深く楽しめたりするものがあります。

日本でも、アラセブさんたちがまだまだ大活躍されていて、嬉しい限りです。。吉永小百合さんとか、三田佳子さんとか、十朱幸代さんとか、岩下志麻さんとか、加賀まりこさんとか、浅丘ルリ子さんとか。男性では渡哲也さんとか、渡瀬恒彦さんとか、梅宮辰夫さんとか、藤竜也さんとか、近藤正臣さんとか、他にもまだまだたくさんいらっしゃいます。

北野武さんの映画「龍三と七人の子分たち」には、アラセブ俳優さんたちが、ずらっと出演されて話題になってましたよね。

この世代のニュースというと、下流老人とか、老後破産とか、心が塞ぐようなちょっと辛い話題が多いわけですが、映画の中のアラセブさんは、なんだかとっても元気です。

アメリカの場合、恋愛やら性やらが必ず織り込まれていて、そちらの方の関心が一生現役である、って、やっぱり大事だよな、と思うわけですね。

以下、最近、観た中で印象に残ったのをあげていきます。いずれも、批評家には厳し目な点数をもらっています。

でも、映画とはとても個人的なものですし、日曜に自宅でぼんやり楽しむには、最高、とか、さまざまな基準があるので、自分は彼らの点数は、あまり気にし過ぎないようにしています。

1.「ニューヨーク 眺めの良い部屋売ります」

主演は、モーガン・フリーマン(78歳)とダイアン・キートン(69歳)。

日本では、来年の1月に公開される予定になっているようで、公式サイトから、すてきなイメージがご覧いただけます。

⇒ 「ニューヨーク 眺めの良い部屋売ります」

(アメリカでは2014年公開済み。私はHBOで観ましたが、すでにDVD化されています。)

異人種間の結婚など、とても珍しかった時代から、ずっと仲良く暮らしてきた夫婦。

長いこと住んだマンションは、しかしエレベーターがなく。5階の部屋に昇り降りする日常が、だんだんと辛くなってきています。

不動産もうなぎのぼりで上がっていることから、そろそろ売って、エレベータのある部屋に移り住もうかと動き始めるのですが……。

というお話で、日本のエレベータのない5階建ての団地って、今後どうなるんだろうな、と関心を抱いている自分としては、設定からしてグッと惹かれるものでした。

参考: 「公団住宅の「老後」。エレベータのない5階建ての空き家が増える」

ニューヨークの風景もたっぷりと出てきて楽しませてくれますし、ふたりの何でもない生活ぶりが、とても良いのですね。

こういう、何でもないことが大事だし、後々まで実は残る思い出になるんだよなあ、と、実感でした。

2.「ラスト・ベガス」

「ラスト・ベガス」は、マイケル・ダグラス(71歳)、モーガン・フリーマン(再び・78歳)、ロバート・デ・ニーロ(72歳)、ケビン・クライン(68歳)という四大スターが幼なじみ、という設定で、プレイボーイ役のマイケル・ダグラスが、今まで未婚で通してきたのに、ついに30歳過ぎの若い彼女と結婚するためにラスベガスで集結します。

58年のつきあい、という彼らは、それぞれに抱えているものがあって、まあいずれも深刻な悩みではないのですが、わかりやすく、この世代がおちいりやすいパターンを図式化して見せてくれたりもします。

ラスベガスで、どたばたなハリウッド映画らしいハプニングがいろいろありまして、そして結局は……。

主演の皆さん、お金には全然困ってなくて、モーガン・フリーマンは薬漬けながら、でも映画の中では他の皆と同様、超元気で、年は取ったけれど、ちゃんと髪の毛はふさふさしています(笑)。

現実のアラセブ世代との差はあるかもしれませんが、元気で明るくたくましく。楽しく、生き生きとした「老後」の姿を見せてくださるのは、何はともあれ、嬉しいもんだな、と思ったりします。

3.「最高の人生のつくり方」

「最高の人生のつくり方」は、原題を「And so it goes」と言うのですが、まあ映画としては、スローで、展開する世界が狭くて、どんなもんかいな、と思うのですが、これがでもネットフリックスとかで無料で見れるとなると、点数も甘くなるというもので(笑)。

出演は、1と2でそれぞれ出ていた、マイケル・ダグラスとダイアン・キートンの組み合わせ。

かつてのイメージだと、何だか合わなそうな、この二人が、アラセブになると、不思議にマッチしていくんですね。

喧嘩しながらひかれ合う、よくあるロマンティック・コメディではありますが。不自然ではなかったかな、年取っても、いいことありそうだな、と、こちらもまた希望感で、明るくさせてくれるのが良かったです。

別に贅沢も何もいらなくて。好きな人たちと、静かで地に足着いた暮らしができれば、それでいいのかな、と、あらためて。

邦題から、かつてヒットした「最高の人生の見つけ方」を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。原題は、それぞれまったく別なので、なんの関係もない映画ですが、こちらもまた、この先の人生を見つめなおさせてくれる、という意味で、良いきっかけをくれるストーリーですね。

4.「グレイス&フランキー」(ネットフリックス)

「グレイス&フランキー」は、ネットフリックスのオリジナルコメディで、一話30分が13話分、シーズン1として一気に公開されています。日本でも、ネットフリックスが始まった瞬間から、ラインナップに入っていたかと思います。

(そこにリンクを貼りたいのですが、アメリカからだと、どうしても、意地でも日本語のサイトに行かせてくれず・笑。英語サイトに導かれまくってしまいます。)

主演は、若々しくて元気なジェーン・フォンダ(77歳)、リリー・トムリン(76歳)という1980年のヒット作「9時から5時まで」のコンビと、マーティン・シーン(75歳)、サム・ワトソン(75歳)の4人。

それぞれ男女2組が長年の夫婦として暮らしてきたのですが、なんと旦那同士が実はずっとゲイの関係にあり、離婚して、ふたりで暮らしたいと言うところからストーリーが始まります。

とんでもないお話ですが、高齢になってからのカミングアウトは、あちこちで実際に起こっていることでもあり、ある意味、社会のひとつの側面をとらえたものとも言えます。

連続ものは、どうしても時間が吸い取られてしまうので、一話だけさらっと見て、自分はふたをしておりますが、コメディなので、明るく元気で、そしてたくましく。

こちらも問題はたくさん起きるものの、希望感たっぷりであることは共通していますね。

総合して思うのは、「お金に困ってない」「健康である」「気力がある」「体力もまあまあある」という状況さえ保てれば、アラセブ世代も、なんとなく楽しそうではないか、ということでしょうか。

ハリウッドっぽさが行き過ぎて、あまりにも楽天的かな(笑)?

でもまあ、未来を悲観して生きるより、楽観して生きる方が、「今」が楽しいだろうし、未来もきっと良くなっていくような気がします。

不安ばっかり煽るような報道も多いので、たまにはこうやって、中和させてバランス取らないと、ってところでしょうか。

そんなことを教えてくれるお気楽映画、ということで、まとめてみました。

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