世界最大のハロウィン・パレードとロサンゼルスのハロウィン体験

ハロウィン2013

先日、日本にいた時に、かなりあちこちでハロウィンムードが盛り上がっていて、興味深く思いました。

近所のイーオンの玄関先に、ハロウィンコスチュームを来たマネキンさんが立ってたりして、とても「日常化」したなあと感じましたし、ロサンゼルスにいる時よりも、はるかにいろいろなところで、ハロウィンのモチーフを目にしたような気にもなりました。

もちろん、アメリカの一般家庭の庭などの飾り付けは、クリスマス同様、本気の人はすごいので、特別感はありますが。

今年はハロウィンが土曜日なので、10月30日(金)の朝、目の前の有名保育園「モンテッソーリ」の子どもたちと親が、ぞろぞろと朝から住宅街を練り歩いていました。学校行事なので、さすがに朝やるようです。大人も子どもも、自由に仮装して、微笑ましいこと、このうえないです。

日本では、急速に盛り上がるハロウィンに戸惑う人の声をたくさん見聞きしました。

アメリカでも、のれる人と、のれない人は、ちゃんといて、子どもだから楽しみにしている、とかいう画一的なイメージはありません。しらけまくっている人もちゃんと、一定数いるようではありますし、逆に宗教行事ではないのに、混同されて困惑を表現する宗教もあるようです。

が、大勢としては、「大好き」で、「のりのり」で、「とりあえず乗っかって楽しんでしまえ」という方々が多いのだろうな、とは思います。それはでも、クリスマスでも、独立記念日でも、イースターでも、ニューイヤーズ・イブでも、どんな記念日でも同じかもしれません。

私も、アメリカ文化のひとつとして興味深く、映画やテレビや小説や何やらで見かけて楽しむことはあっても(E.T.のハロウィンが一番、記憶に残る、ほのぼのとしたシーンだった気がします)、自分とそれを結びつけて楽しむなどということはなく、1994年にハワイに住み始めた時には、通っていた英語学校の行事で、なぜだか持っていた浴衣姿でクラスメイトとワイキキを歩いたのが、ほぼ最初で最後、でした。

(ETのハロウィン風景のビデオがあったので、貼り付けておきます)


ロサンゼルスに移ってきた際、会社のムード盛り上げ策のひとつとしてアメリカ人幹部が提案して、ハロウィンのコスチュームコンテストをする、ということになりました。

私もぎりぎりになってから、その時期だけ開いている特設ショップに駆け込んで、胸元ぱっくり開いた海賊の衣装を買いまして、それだけではサマにならないので、見本の写真のイメージに近づけるように、ナイフやらメイクの小道具やら、なんだかんだ金かかんなぁ~とか思いながらも、仕方なく買いそろえて、いざ本番の日。

お母さんスタッフが上手にリードして、オフィスの飾り付けもバッチリ。

halloween2012

慣れない自分としても、それなりに頑張りました(笑)。他にも苦手さんはいたようですが、まあ、開き直ってしまえば、どうということもなく。皆がやるからいいっていうこともあります。

というか、ものすごい強者が数名いたので、度肝を抜かれた、というか、ここまで真剣にやるからこそ、面白いのかあ、と勉強になったのでした。仕事も真剣。遊びも真剣。大人だからこそ、やる時はやらんと、と、恥ずかしがったりしていることが、恥ずかしい気持ちになったのを覚えています。

同時に、こんな時でも、リーダーがしっかりしないとね、とも思いました。率先垂範の精神は、こんなところでも必要とされます。その時は、アメリカ人の副社長ががんばって仕切ってくれました。

こんなところで、リーダーシップのお勉強(笑)。

その翌年は、店に行って時間つぶすのも面倒だし、アマゾンでいろいろ見ていたら、お、これは、というのが見つかって、早速オーダー。それが、トップのこの写真です。一番、左が私です。

ハロウィン2013

首が落ちているように見えるのは、肩の上に、偽物の肩と首を乗っけているだけです。

でもまあ、目の錯覚で、それなりに見えるものですよね。他の人がいると、背の高さでばれてしまうのですが、ひとりで写した写真だと、もう少し、錯覚がうまくいっていたようです。(が、写真がもう見つかりません。)

ナイフは、前年の使い回しを、赤く染めてみました。空気を通さない、超安物のナイロンにくるまれて、大汗かいたことだけ覚えています。

この写真のお隣は、がっちり体型の会長さん。この格好で、営業にも行かれたりして、なかなかに楽しんでおられました。やられた~と思いました(笑)。

翌年は、自主的に楽しみましょう、ということで、全員参加のコンテストはなし。ホッとする者、なんとなく寂しがる者、いろいろでしたが、私は正直なところ、ホっとした側でしょうかね(苦笑)。それ以来、また静かなハロウィンを過ごしています。

今、住んでいる場所から車で5分ほどのウエストハリウッドでは、毎年恒例、街を上げての大パレードが行われます。

なんと、50万人が集まる「世界最大の」ハロウィン・パレードなんだそうです。ニュースで見るだけですが、とにかく、ものすごい人の数なんです。

LGBTの街として有名なところで、バーやレストランも多い場所で、もともとそういうお祭り騒ぎが好きな人たちも多いということで(たぶん)、市がとてもオープンにバックアップします。

プライドパレードもこの街で、同じ場所にステージが組まれます。時折、ブログにも書いている、ライブラリのすぐ目の前です。

下にニュースクリップを貼り付けましたが、LGBTの方々がやはりたくさん登場されているのがわかるかと思います。

ニューヨークと、ロサンゼルスのハロウィンパレードを、ニュース各局がそれぞれに報道しています。

NBC系列 ニューヨーク、グリニッチ・ビレッジのハロウィン

CBS系列 世界最大のハロウィンパレード ウエスト・ハリウッド

KCAL ロサンゼルス、ウエスト・ハリウッドのハロウィン

自分の体験からも学ぶわけですが、醒めて、離れたところからのぞいているよりも、中に入ってやってみた方がはるかに楽しいイベントだな、と思います。

日本では、本来の意味合いを考えずに仮装大会になっている、と自嘲したり、批判気味に言う声も聞こえますが、アメリカでもとっくにそうなので(笑)、そこはこだわらなくてもいいと思います。

アメリカも、多民族・多文化国家なので、メキシコの「シンコ・デ・マヨ」を祝ったり、アイルランドの「セント・パトリック・デー」に緑の服を着たり、旧正月に中国の獅子舞や爆竹を楽しんだり(これは、見るだけだろうけれど)、忙しいです。

感謝祭はアメリカ独特のものですが、ハロウィンもクリスマスも、皆、移民がヨーロッパから持って来て、やがて商業主義とくっついて、年々、変化していっているもの。

「またメディアや企業に踊らされて……」とは、よく聞くセリフではありますが、踊らされても、踊りたくなければ踊らないので、これだけ皆が踊る、ということは、踊りたくなる何かがきっとあるのではないでしょうか。

もともとコスプレそのものは、日本にもあって、お家芸的なところもあるわけで、それをもっと大きな規模で、「意味」(ハロウィンだから)とか「テーマ」(お化け)とかをくっつけて、道端で公然とできるのだから、それは流行るだろう、と思います。

グルーポンのオフィスで、こんなすごい仮装?をした人がいて、ビデオがあちこちでシェアされていました。

やるなら、ここまでやれ、って感じかな(笑)。

クリスマスに日本だけケンタッキー・フライド・チキンを食べるように、ハロウィンも独自の発展をしていっても、それは別に罰当たりなことではないように思います。

ただ、やらない自由も選択できるようにしておかないと、皆が嫌いになっちゃうので、気をつけたいですけどね。

まじめな国だから、とても杓子定規に、やりたがらない人がいるから禁止します、みたいなことになりがちなので、「個人の自主性」にまかせることも大事かな、と。

いちいち干渉せずに、放っておけ、ってことですね。