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優しいからこそ厳しくなれる。大善は非常に似たり、小善は大悪に似たり

生き方
自慢話ではないようで、実はとんでもなく赤面するくらいの自慢話なのですが、書いてしまいます(笑)。

2014年の春に、前職で社長を退任させていただき、会社を離れた時、社員や幹部の皆さんが、寄せ書きをしてくださいました。自分が提案したオンライン寄せ書きサービスの「ヨセッティ」を使った第一号だったのですが、ということはどうでもよくて。

最終日の夜に打ち上げっぽく会社でお酒も交わしたりで、高揚した気分で家に帰って見た寄せ書きに、こんな言葉がありました。

「強いからやさしい、やさしいから厳しいという姿勢をどれほど頼りにしてきたか……」

それを見た瞬間、「ああ、自分はこういうことを言われたい、こういう人になりたい、と今まで思ってきたんだなあ」と、初めて実感したのでした。

信頼し、尊敬するオーナーの奥様からのお言葉だったので、より感動。

打ち上げの興奮と、明日からの不安とが入り交じる中、早速、お礼のメッセージをしたためていました。

強いからやさしい、やさしいから厳しい。

強いからやさしい、やさしいから厳しい。

その元にあるのが、今回のテーマである、「小善、大善」という言葉です。

決して自分は強い人間だと思っておりませんが、立場上も、そうやって振る舞ってきたのは確かかもしれず、それがまあ、ボロが出すぎないで、虚勢を実質と信じていただけていたのなら、それはそれで嬉しいことでした。

思いがけず感動すると、心のどこかがプルプルと震えるようなことってあると思うのですが、その時は、まさにそんな体験をさせてもらいました。それほど、嬉しかったんですね。

以下、「小善・大善」というテーマで以前に書いたブログ記事を、少し訂正しながら、再びアップさせていただきます。

小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり

2009年にハワイで盛和塾を起ち上げようと起ち上がった発起人がいらして、準備委員会が発足。光栄なことにお声がけいただいて僕もそのメンバーに入らせていただいていました。

ちょうど、塾長である稲盛和夫さんの生き方―人間として一番大切なことを読んで、とても深い感動を得た矢先のこと。何かの思し召しかと驚きながら、自分なんかが良いのだろうかと恐る恐る参加させていただきました。

初めて学ぶ経営の基本に面食らう日々。今まで身近におつきあいしていた人たちとも違う方々とどんどん親しくなり、急速に輪が広がっていきました。

半年後には、稲盛さんご自身がハワイで講演会をされ、間近でお目にかかれる光栄に授かりました。そしてさらに半年後。本当に盛和塾が発足することになり、開塾式をハワイで行うことになります。

歓迎の夕食会やパーティのプロデュース役を仰せつかって、自ら司会したり、ウクレレ隊を結成して演奏したり、ひと月半ほど仕事などまったくしていない日が続きましたが、生涯の思い出に残るイベントを創り出せたと実感しました。

盛和塾の勉強会で、あるいは参考図書で、さまざまなフィロソフィを教えていただきました。その教えは、会社の現場に持ち込み、自らが今度は教える役割となりました。教え、教わり、実行し、忘れて失敗しては学び直し。そんな繰り返しをしながら、やっと身になっていくものですね。

数えきれないほどあるフィロソフィの中でも印象的で、人とのつきあいにおいて、そしてとくに部下や指導しなくてはならない人との接し方において、心がけている言葉が、「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」です。

一見、優しいように見えることが、実は人を甘やかしてしまっているだけで、学びの機会を失わせ、将来にとってとても良くない結果を生んでしまっているかもしれません。それが小善。

本当にその人のことを思ったら、一見、冷たいように見える言い方も、厳しすぎるようなやり方も、その人が成長する上で必要な愛のムチ。

本物の愛情がベースにあれば、厳しさも伝わっていく

この言葉を教えていただいてからというもの、人との接し方がずいぶんと変わっていきました。以前も割りと厳し目に人に言う方ではあったかと思いますが、きちんとした「愛情」がベースとして合ったかというと疑問。言いたいから言っていた、あるいは思うように動かないからイライラして言っていた。そんな感じでしたが。

が、それからは、自分の中の愛情の泉の蛇口を目一杯ひねり、自分のためではなく、その人のために動機があるかどうかを確認した上で、ズバッと言うべきことを言うようになりました。

その瞬間、ひるんだりする人もいるものの、たいていはハッと驚いたように気づきを得て、感謝してくれることが多くなった。

あまりにも、芯をついた言葉だった時には、不意を突かれた相手から、ぼろぼろと涙が先に出てくるような、そんなこともありました。

でもそれは、必要な涙であり、変わるための「ブレイクスルー」の瞬間だったのです。

NLPのマスタープラクティショナーになるトレーニングを経てからは、その辺も、かなり確信犯的にできるようになりました。ここを押せば、こうなる、という風に、まるで見えているかのようです。

マッサージ師も整体師も、きっと、ささっと触ると、悪いところが分かるように熟練していくのだろうし、それをどうしたら、良い血が巡るように改善できるのかも、理屈ではなく、身体で分かっていくことでしょう。

それと、同じようなことかな、と思います。

人が目の前で変わっていく瞬間を目撃すると、そうやって痛いかもしれない言葉を素直に受け入れてくれたことに、こちらこそ感謝したいくらいの気持ちになるものです。

そして関係性もかえって深まっていく。

「小善/大善」は、自分がライフコーチを行うにあたって、一番役に立っているフィロソフィのひとつと言えるでしょう。

僕のスタンスは、ある人には、そしてある時には、厳しすぎるように感じることがあるかもしれません。

でも、結果を出してあげてこそ、だと思うので、気後れせずにリードしてあげないといけないと思っています。

稲盛和夫さんの「生き方」は、じわじわと売れ続けて、今や100万部を超えているそうです。

いつになっても色褪せない「古典」のような重さですね。

最初に読んだ時の感動を忘れないように、サンマーク出版のアプリでも購入し、iPadにいつでも読めるように表示してあります。Kindle版も出ています。ぜひ、ご一読を。

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