忘れることはスキル。上手にできれば次に進みやすい人になる

生きていれば、良いことも悪いこともあります。うまくいくことも、失敗することもある。

褒められる時もあれば、叱られる時もある。人を傷つけ、なじられることもあるかもしれないし、誤解されて怒りをよんでしまうこともある。

どんなに理性的な人でも、不意打ちを食らったり、準備不足だったりすれば、失言くらいするでしょう。感情的になってしまった時には、尚更です。

そんな時、ずっと心にそのことを抱え込んで、眠れない日々を過ごしたところで、事態は何ひとつ良くなりません。

間違いは正し、傷つけたのなら謝罪し、挽回策を考えて、誠意と行動で修復をしていく他、ありません。

いつまでもクヨクヨと感性的に悩まずに、スパッと忘れて、次に移ることができるかどうか。

それは精神力と呼ばれるものなのかもしれませんが、意識して「忘れる」ことを、スキルとして鍛える方法もあるのではないかと考えます。

自己嫌悪と自己憐憫は、前進していく機動力にはならない

また、こんなことしちゃった…。自分はなんてダメなんだろう…。

そんな風に自己嫌悪に陥ってしまうこともありますが、その状態にどれだけ長くいても、そこからは何も生まれてこないのは、もう十分に分かっています。

それどころか、そんな風に悩むことに時間をかけていると、挽回する対策を考えることもできないし、行動する勇気も出てきません。

こんなにいつも誤解されて、私って可愛そう…なんて自己憐憫に浸るのは、環境のせいにしてしまっているのと同じこと。外部要因思考は、謙虚に反省して、自分を改善する機会から遠ざけてしまうという意味で、危険で無意味です。

自己嫌悪も自己憐憫も、目線が後ろに向いたまま、過去のことに心を奪われている状態です。

過ぎ去って、取り返しのつかない時間のことをいくら考えてみても、明日を良くすることにはなりませんよね。

重大なことならば、余計、早く気持ちを切り替えることが大事。

つまり、早く忘れちゃおう、ということです。

忘れる技術は、誰もが習得できるスキル

起こってしまったことは仕方がありません。くよくよしても、そこからは何も生まれない。

だったら、ざわざわする気持ちや、赤面し、汗がにじむほどの恥ずかしさ、焦燥感や不安、恐怖心など、自分を落ち込ませてパフォーマンスを邪魔するマイナスな感情は、ひとまず「忘れる」ことです。

その上で、今、何ができるかを考えることに意識を集中させるのが、最善の策。

忘れること=気分を切り替えることが、得意な人と不得意な人がいます。

なすすべもなく、マイナスの感情に溺れてしまう人がいるかと思えば、上手にコントロールをして気分を切り替え、さくさくとやるべきことに動き出していける人もいます。

私は、やり方さえ分かれば、誰でもこれはできるようになるものだと信じています。

つまりは、スキルです。

方法さえ知っていれば、後天的に習得可能な技術だと思うのです。

以下の3つは、マイナスな感情をリセットし、忘れるために、私が実行してきた3つの方法です。

もともと、それほど深く落ち込み続けることができない性格のようでもあるのですが、落ち込むっていうのも、なかなか面倒くさいことなので、早く脱出できるように、無自覚なまま、いろいろと試してきたんだと思います。

うーん、この感情、引きずっていたくないなあと思ったら、ぜひ試してみてください。

感情をリセットし、嫌なことを忘れる3つの方法

1.眠ることでリセット

同日にはなかなか気持ちが動揺していて、対処するのが難しいのであれば、とりあえず一晩、ぐっすり眠ってしまうことです。

なぜか夜の内はあれこれ考えて不安になりがち。だけど、朝になると、不思議とそのことは忘れているものです。

日が昇って明るくなれば、また新しい一日が始まります。あなたの新しい歴史のスタートです。

明るい色の服を着て、いつもよりも華やかな外観を意識的に整えて、外に出かけましょう。

なんでもない振りをして、堂々と胸を張って歩いていると、自然と落ち込んだこともどこかへ消えていきます。

2.運動で汗を流してリセット

運動をする方は、気分の切り替えがきっととても上手にできると思います。

無心で身体を動かして、汗をかくことで、不思議と心の雑念も鎮まり、「不純物」が汗と一緒に流れ出ていくもののようです。

運動後に気持ちよくお風呂に入ったり、熱いシャワーを浴びれば効果倍増。

あれ、何を悩んでいたんだっけ?と、記憶のリセットができているはずです。

僕もかつては、走ることで大いに救われました。感情のコントロールに効果絶大であることを体感しています。

3.笑うことでリセット

あまりにも不謹慎な場合でなければ、笑うことも嫌な気分のリセットに役立ちます。

NLPでは、人は笑顔を作りながら落ち込むことは同時にできないと言います。人の表情やボディランゲージと、感情とは、リンクしているものなのです。

愚痴を言うような相手ではなく、日頃から明るく前向きで、大らかな人と一緒にいることで、後ろ向きな気持ちも中和されます。

未来の夢を語ったり、どうでも良いことで笑っている内に、悩んでいたことはすっかり忘れてしまうことでしょう。

僕も、TVを見ながら無心に笑っているパートナーの存在に何度救われたかわかりません。人の気も知らないでデリカシーのないやつ…と思ったこともありましたが(苦笑)、彼の能天気なほどの大らかさがあったからこそ、切り抜けられた場面がいっぱいあったなあと後から気づきました。

後悔や心配をしてみても、状況が好転していくことは実に稀です。

あなたが悩んでいる間にも、悩みの原因となった人たちは、家族や恋人と楽しく笑っているかもしれません。

起こったことは仕方ないこと。反省すべきことはして、次に繰り返さないと対策を立て、あとは意識的に忘れてしまうのが一番です。

「忘れたいのに忘れられない」という方の中には、時に潜在意識のレベルで「忘れたくない」と固執している方がいます。これについてはまた別なトピックスなので、エントリをあらためたいと思います。