未来志向と上昇志向はまったくの別物。主軸にあるのは自分らしさ

セルフ・アップグレードとか、成功術、とか言う言葉を使ってお話すると、どうしてもこれは上昇志向の話のように見えてくるかもしれませんが、自分としては、まったくそのつもりはありません。

僕が提唱したいのは、あくまでも「未来志向」であって、お金を儲けよう、ビジネスで成功しようということを軸にお話していることではないんですね。もちろん、そのことが主眼にあっても悪くはない。何のために、という部分がきちんと見えている前提であれば、それはそれで自分らしい生き方ですから。

自分を磨くとか、自分らしい生き方を追及するとか言うと、斜に構えた論客などが「意識高い系」とか「グローバルマッチョ」とか、あまり気持ちの良い響きではない言葉を使って揶揄したりするのですが、夢を持つことや、それを追いかけて生きることの何がいけないのでしょう?

ずっと意味不明だったのですが、彼らの言いたいのは、「お金だけが人生の目的じゃないよ」とか「出世とかって、もうどうでもいいじゃん」とか、そういうことだと捉えると、分からないでもないかな、と思うようになりました。でなければ、意識は低いより高い方がいいに決まってるし、グローバルなものの見方をすることは、すでに選択じゃなくて必然なので、言ってることがまったく理解できません。

僕が「セルフ・アップグレード成功術」やこのブログで書いているのは、すべて「自分」を軸にしたことです。自分にとっての夢の実現。自分にとっての生きがい。自分にとっての明るい未来。

もちろん、社会的意識を最大限に持ちつつ、社会とコミュニティと地球と隣人と自分と、すべてがWin-Winな、エコロジカルな関係を実現することが大前提です。

だから、年収をどんどん上げよう、がマストではなくて、年収はとりあえず食べれるだけあればいいので、田舎に住んで農業やるんだ~とか、全国のトライアスロン大会に毎月出たいので、それが実現できるような会社選びをしよう、とか、自分が「ワクワク」したり、「ドキドキ」したりする何かが真ん中にちゃんとあることから始まります。

そしてそれを実現するために、ライフをデザイン設計していく、という感覚です。

高い年収を目標にするのも、全然OKです。それが自分にとって明るい未来につながることで、Why?に対する答えがきちんとあるならば、収入は低いよりも高い方が、それは良いですよね。

すべては、「Why?」にかかっています。

そのためにも、まずは自分を深く、深く掘り起こして、「本当の自分を知る」ことが大事なんですね。あなたが本当にワクワク、ドキドキすることって何なのですか? その問いに答えを見出して、心がプルプルっと震えるくらいに自分が感動できる状態が、本物です。

2010年、スローライフという言葉が盛んに言われて、少し落ち着いたような頃、「減速して生きる―ダウンシフターズ」という本が出版されました。

僕自身、スローライフ、という概念にはおしゃれ感があって憧れたりもするのですが、実際にスローダウンしているか、できるのか、したいと思っているのかと、自分と深い対話をしてみると、答えはNoです。それどころか、ますます加速しようとしている最中だったりします(笑)。

それは、僕がハワイに長い間、暮らしていたことが関係していると思います。なんたってスローライフの本場ですからね(笑)。

人はないものねだりをすると言いますが、今はファストペースで動く街の中にいることが心地良く感じています。東京にいた20年前とは違って、そういう中にいてもストレスを溜めない自分になりましたし、必要な時にだけガクンと減速してリセットするスキルも身につけてきました。だからこそ、なのかもしれません。

著者のように減速する気配はまったく持ち合わせていないものの、その主旨には大いに賛同しました。

いわゆる成功を目指す路線から外れて、小さな店を構え、良質な素材を使った料理を提供し、コミュニティとして楽しむ。有機栽培農業をしたり、NPOに参画して社会活動に貢献したり。

自分らしいって、こういうことだよなあと思う。人や世間のモノサシではなく、自分なりの価値観に従って、欲張らず、ブレず、しっかりした軸を基点にして暮らしを形作っている姿に、清々しさを感じました。とても大好きな本として、人に薦めていた時期があったのをふと思い出したので、ご紹介しておきます

「これが『普通』」、あるいは「こうでなければならない」という他人目線の生き方から卒業して、自分らしさを尊重して未来を設計していくのが、僕の言う未来志向です。生き方の選択は無限大。自分にとっての必然がありさえするならば、減速志向も、上昇志向も、どっちも全然OK。

とにかく、何が何でも「自分志向」でいきましょう。