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20年後の未来に思いを馳せる。「2035年の世界」高城剛・著

「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがありますが、世の中にある、ひとつの発展が別な変化と結びついて、驚くべき進化として世の中に登場するのを、僕らは日常的に目撃しています。

この20年だけを見てみても、インターネットが登場し、パソコンが普及し、携帯電話が浸透したかと思ったら、スマートフォンに取って代わり、コミュニケーションやデータ管理を始め、ライフスタイルやビジネスの手法までもが根こそぎ変化しました。

その変化は、加速度を増して同時多発的に起こっていますし、思いがけないもの同士が結びついて、まったく思いもよらなかった新しい概念が生まれたりもしています。

ますます加速していくように見える進歩発展は、20年後にはどうなっているのでしょう?

実は、僕はこの手の「社会の変化」的な話が大好きで、とくに感性が合う方が書いているものなどは、たいへん興味深く熟読し、未来の暮らしにドキドキします。

若い友人が彼のファンで、過去に、著書をいくつも勧めてくれたのをきっかけに注目するようになった高城剛さんが、「2035年の世界」という本を書かれたのは、2014年10月。すぐにKindleで購入していたのですが、ようやく読むことができました。

Amazonに掲載された紹介文は、こんな感じです。

とてつもない変化は、世界のどこかでもう始まっている。

今から20年後の「2035年」……、それは思ったほど遠くない未来である。

本書は、クリエイター、あるいはDJとして、移動しながら世界で仕事をしている著者が、各国で最先端の研究機関、研究者、学者、技術者らと出会い、導き出した未来を描いた一冊。

「死なない人間」「デザインされる子ども」「人工合成技術」「オミックス医療」「資本主義3.0」「空飛ぶ自動車」「未来の音楽」「ペタバイト」「リキッド化」「自分検索」……。

一見、絵空事にも思えるキーワードの数々。

しかし、それらは既に世界のいたるところで現実化、実用化に向けて動き始めている。

著者は、貧富の差という二極化だけでなく、「生死」に関しても二極化される可能性を示唆している。

では、私たちは20年後に向けて、今、何をすべきか。

そのヒントは本書に収録した「100のキーワード」の中にある。

一見、絵空事にも思える、と書いてあるのですが、少なくとも僕には全然、そんな風には読めなかったです。すべての「芽」は今、あるものばかり。飛躍ももちろんあるでしょうが、こうなって、ああなったら、こうなるよね、という論理がきちんと書かれているので、仮説として、すんなりと共感できるトピックスがほとんどでした。

ハイライトしたらきりがないほど、全編にわたってビンビンと感じることばかりの内容です。少しだけハイライトした箇所をご紹介しましょう。

いまある産業で働いている人のうち、ある調査によれば20年後には最大で7割の人が不要になるといわれている。いま人の手で行われている仕事の多くは、ロボット化およびセルフオートメーション化が進むからだ。ロボットをオペレートする仕事も、AIの発達でロボット自身がやるようになる。そうなると人間がやるべき仕事はどんどん減っていく。

人は5つの土地を行き来すべきだとよく言われる。「生まれた土地」「パスポートを持つ土地」「仕事をする土地」「資産を持つ土地」「遊ぶ土地」

人生100年時代における「第二の人生」……いかに死ぬか、それが問題だ。人生100年時代に入ると、60歳でリタイアするという現在の常識が崩壊して、第二の人生をどう生きるのかということが社会問題化する。好奇心を持って最期まで輝く人生を送るのか、人生に退屈して暇を持て余しながら過ごすのか。それによって第二の人生に大きな格差が生じるだろう。

人の晩年は、電球にたとえられる。年齢を重ねるにつれて弱っていくのは徐々にチカチカしてつかなくなる「蛍光灯型」。それに対して、最期までずっと元気で、あるときプチッと消えるのは「白熱灯型」だ。これまで白熱灯型が理想的だといわれてきたが、今後は第三の生き方に注目が集まるだろう。それは「LED型」である。いつまでも明るさをキープしたまま、飛躍的に寿命が延びていくわけだ。 LED型になると、心配なのは身体より心のほうだ。すでに第一線から退いた方々と、僕自身がお話しする機会がたまにあるが、そうした先輩たちがこぼすセリフはたいてい決まっている。

この本は、単に未来がどうなる、という預言をしているのではなく、だからどう生きようということまで、きちんと言及しています。でなくては意味がありませんね。大きな方向性や考え方として、今の自分が言ったり、行ったりしていることは、悪くないよな、と思えて安心しました。

それにしても、各国を巡っているというだけでなく、多岐に渡る知識、教養ですよね。僕もアメリカと日本だけではなく、もっともっとたくさんの国々を巡って、「肌感覚」でいろいろなことを語れるようになりたいなあと改めて思いました。

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