52歳。会社を辞めました。

23歳で働き始めて30年目を迎えた春。

2007年の1月。元旦が誕生日の僕が45歳になった時に思ったのは、「四捨五入して50歳だ」ということ。単純な事実というよりも、50歳、という数字の重みに耐えかねて、訳の分からない焦燥感がこみ上げてきました。

このまんま何もしないで延長線上の人生を歩んでいたら、自分はどうなっていくのだろうか。50歳で何か始めるのではなく、準備を始めるなら今だ、と。

それは32歳でハワイ移住を決めた時と同じように、静かだけれども確信にも似た思いで、ちょうど読んでいた本にあったライフプランのまね事などをしてみたら、思いがけない潜在的な希望が小さな泡のように、心の表面にひとつ、ふたつ、と浮き上がってくるのを感じました。

残念ながらその本のタイトルも著者も思い出せず、検索してもまったく手がかりもないのですが、リタイアしてコンサルタントになろう、的な本だったように思います。あまりにも探せないので、それはまるで、その時にヒントをくれるためだけに存在した幻のできごとだったのかな、と思ってしまうほどです。

その後、少し形がより明確になったり、形を変えていったりもするのですが、その時に最も強く浮かんできた事柄を実現するために、その後、僕は様々に迷走を始めます。瞑想なら良かったんですが、迷走になっちゃいました。40後半での迷走は、いささか人も傷つけ、その過程で自分も傷つき、その度に学びを得て、思いを軌道修正していきました。

それからおよそ3年半後に当時、社長を務めていた会社のオーナーに退社の意思を告げ、4年後の2011年初頭に退社。ハワイからロサンゼルスに拠点を移し、個人事業のような形で友人の会社に関わることになりました。とはいえ、どちらかと言うと、いずれ社員となる前提でのスタートで、事実上の「転職」。

居心地の良さにまかせて、お話をいただくにまかせて副社長になり、果てには社長に就任し…。かつて決めたはずの自分の道筋から少しずつまた違う場所に行ったりもしました。

なんだかんだ、と自分の中での葛藤があった末、2014年春、ようやく本当の意味で会社を辞めて、ひとりきりになりました。迷惑かけずに、路頭に迷わずに、周囲とできる限りのWin-Winを目指しながら、自分の軸はずらさずに。

3年の間に少しは成長していたのか、今度はかなりうまく物事を運ぶことができたように思います。さて、これからです。